大林組、Smartsheet導入で建設書類管理方法を改善し、大幅な業務効率化に成功

建設業界の将来を見据え、より統合的なデータ活用基盤の構築も推進

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枚以上 建設プロジェクト1件あたり100〜300種類、5万枚以上の書類を管理

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者間で連携 発注者、ゼネコン、協力会社の3者間で、書類の管理状況をリアルタイムに共有

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クリックで処理 Power QueryとData Shuttleを連携し、Excelデータを1クリックで格納

業界

  • 建築・建設およびエンジニアリング

組織/団体規模

  • エンタープライズ (従業員 10,000 人以上)

地域

  • アジア太平洋 (APJ)
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「Smartsheetのおかげで、書類の数や種類と完了率、タスクの数と達成率が一目で確認できるようになりました。何より大きかったのは労力をかけずに、かつタイムリーに関係者全員でプロジェクトを俯瞰できるようになった点です。」

武内 郁夫 様

大阪本店建築事業部副事業部長 兼 営業総本部副本部長

株式会社大林組(以下、大林組)は、年間約2兆6,000億円の売上高(2025年3月期連結)を誇る、日本を代表する総合建設会社の一つです。東京スカイツリーの建設、熊本城の復興事業、ゴールデンゲートブリッジの耐震補強プロジェクトなどの注目度の高い事業を手掛ける一方、再生可能エネルギー等の売電業務にも進出するなど、社会の根幹を支えるプロジェクトに携わってきました。一方、社内ではDX本部や土木ロボティクス本部などを中心に、ERPやBIMなどの先進的なシステムや手法が活用され、DXによる業務効率化も精力的に進められてきました。

しかし建設現場では、データ活用の遅れが問題になっていました。同社執行役員で、大阪本店建築事業部副事業部長 兼 営業総本部副本部長として大阪本店の設備部門を統括する武内郁夫氏は、特に懸案となっていた建設現場での書類管理業務のワークフローを、次のように説明します。

「我々のようなゼネコンを真ん中に据えた場合、業務フローの川上には事業主様や発注者様、設計者様が位置し、川下には専門会社や協力会社、いわゆるサブコンと呼ばれる会社が存在します。100億円規模のプロジェクトでは、100種類から300種類、5万枚以上の書類をゼネコンやサブコンが作成。設計者様や事業主様にレビューいただき、修正を繰り返しながら承認いただいたものを、工事を主管する我々ゼネコンが管理してきました。」

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「写真提供:大林組」

建設現場の実態に即したソリューションをSmartsheetで構築

欧米の場合は、ドキュメントコントローラーという専門職や部署がこのような書類を管理しています。日本でも各社が緻密に方法を定めていますが、実際には方法論どおりに管理がなされないケースも起きてきました。武内氏はその大きな原因の一つとして、現場が多忙すぎて管理業務までなかなか手が回らないことを指摘しています。さらに本質的な要因として、長年にわたりExcelが使用されてきたことも挙げました。

「現場が作成する管理表は、不揃いの書式でExcelで作成されたものが主体となってきました。その結果、我々『母店(常設部門)』側では、受け取った書類を集計・分析し、報告書にまとめていくという、バケツリレーのような業務を随時行ってきました。書類の不備が原因で作業の手戻りが起きたときには大問題になりますので、この書類管理の質を何とか改善したいと考えていました。」

武内氏は当初、システムを全面的に移行し、書式を一つにまとめることも検討しましたが、それが極めて難しいことを悟ったといいます。大林組社内だけであれば書式の統一は可能ですが、プロジェクトごとに設計者も違えば発注者も異なり、会社ごとのやり方も存在するためです。

そこで武内氏は、Excelの利用を排除するのではなく、その使用を前提に最も実効性のあるソリューションを構築するという共存戦略を検討。2025年1月には、業務管理プラットフォームであるSmartsheetの採用に踏み切ります。こうして、現場のワークフローは変えずにデータを母店側で見える化し、書類を管理するという画期的な手法を確立することに成功しました。

「やはり工事現場は忙しいので、新しいシステムの導入には当然のように非常に強い抵抗がありました。何より現場は従来の方法に慣れていますし、Excel自体もある程度進化してきたので、ワークフローを大きく変えずに全体的な生産効率を上げることを目指しました。ソリューション選定の際にはいくつかの製品をテストしましたが、Smartsheetには明らかなアドバンテージがありました。まずExcelとの相性が良いこと、Boxなどのファイル共有ツールとの親和性が高く、ブラウザ経由で情報共有ができること、欲しい情報が視覚化できること、そして何よりExcelライクなインターフェースなのでベテラン職員にもなじみやすく、コストパフォーマンスにも優れていました。」

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「写真提供:大林組」

Data Shuttleとダッシュボードで ,俯瞰的なプロジェクト管理実現

Smartsheetの導入により、書類の管理業務は大幅に効率化されました。工事事務所はこれまでと同様に、Excelデータを週に1回更新して共有します。母店側ではそれを手作業で集計するのではなく、Power Queryでデータを変換し、Data Shuttle機能を使って1クリックで読み込む仕組みを整備しました。Smartsheetに集約されたデータは、ダッシュボード上で誰にでもわかりやすく表示されるため、「俯瞰的なプロジェクト管理」が実現しました。

「Smartsheetのおかげで、書類の数や種類と完了率、タスクの数と達成率が一目で確認できるようになりました。協力会社ごとに、詳細にデータを確認することも可能になりました。何より大きかったのは労力をかけずに、かつタイムリーに関係者全員でプロジェクトを俯瞰できるようになった点です。ダッシュボードで工事管理書類の進捗状況や未着手の有無を即座に把握でき、進捗が遅れそうな工事現場をすぐにサポートすることも可能になります。」

Smartsheetの導入により、大林組は書類管理プロセス全体の効率化とデータ連携に成功しました。強い手応えを得た武内氏は、次の飛躍に向けた目標を早くも見据えていました。

「現在はSmartsheetを使ったやり取りを母店と工事事務所の間だけで行っていますが、将来的にはSmartsheetを活用したプラットフォームを、発注者、設計事務所、協力会社など全ステークホルダーが参画できる基盤に発展させていければと考えています。またデータの整理と読み込みの作業は、今後自動更新できるように取り組んでいく予定です。これが実現すれば、書類管理の一層の精緻化やスピードアップが図れると考えています。また建設業が抱える大きな問題である『追加変更の管理』についても、より効率的に行えるようプラットフォームの構築に取り組む予定です。建設プロジェクトの安心安全を追求し、より業務の質を高めていくために、チームメンバー一丸となって、Smartsheetの活用を広げていきたいと考えています。」

ストーリーの詳細については、こちらの導入事例をご覧ください。