吉田電工はSmartsheet でデータの可視化と共有を推進し、工程管理の効率化に成功。新たな組織文化と事業価値も創出

吉田電工はSmartsheet で工程管理を大幅に効率化。工事現場のデータ可視化と共有を進めながら、社外スタッフを含めた一体感の醸成、データを活用した新たな事業展開やバリューの創出にも邁進しています

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Smartsheetの導入により、社内の工程管理ツールの利用者の割合は100%を達成

業界

  • 建築・建設およびエンジニアリング

組織/団体規模

  • 新興/中小企業 (1 人~ 199 人)

地域

  • アジア太平洋 (APJ)

「Smartsheetは操作方法が一目でわかるだけでなく、誰もが馴染みやすい。コストはもちろん安価ですし、拡張性も高い。様々な企業で非常に多く利用されている理由がよくわかりました。」

前山文明

統括室

株式会社吉田電工(以下、吉田電工)は、「人材力」を基盤に、高い技術力による柔軟性と多様性を強みとして、時代の変化に対応できる企業作りを実践。関東全域で、一般電気工事から公共工事、太陽光発電工事、そしてイルミネーションなど幅広い業務を手掛けながら高い評価を獲得し、堅調な成長を続けてきました。
そんな同社がSmartsheetを導入したのは、2023年9月頃でした。吉田電工 統括室の前山 文明氏は、導入の背景を次のように語ります。

「我が社では、工程管理の効果的な方法について長年課題を抱えてきました。以前は、建設業界で一般的に利用されているクラウドツールを導入していましたが、状況は改善されませんでした。1つ目の問題は、そのツールが当社の求める運用方法に適していなかった点です。もともと、複数の組織が一つの現場の情報を共有しながら工程を進めるための設計であったため、”全現場を俯瞰的に管理し、社内で情報を共有したい”という当社の目的とは合致しませんでした。2つ目の問題はコスト面です。ライセンス料が比較的高額で、利用者ごとに課金される仕組みのため、社内での利用者数を制限せざるを得ませんでした。
このことは、3つ目の問題である ”ツールの利用普及率” にも影響を与えました。本来であれば、全社員が現場情報を共有することで業務効率を高めたかったのですが、利用者数を限定したことで、その目的を果たせていませんでした。」

このような状況を改善すべく、前山氏は新たなソリューションの導入を検討し始めます。IT業界出身の前山氏がその際に定めたのは、上記の問題を解決できること、拡張性などを含めたポテンシャルが大きいこと、そして安全性に優れ、ガバナンスを担保できるという要件でした。

「ある意味、私が最も念頭に置いていたのは情報の可視化と共有です。弊社は数多くの現場で工事を行っていますが、規模や工期は千差万別ですし、作業を行う職人が入れ替わったりするケースもあります。こういう状況に柔軟に対応しながら安心安全で工期通り、そして質の高いサービスを提供するためには、データの活用が不可欠になっていました。」

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統括室長の高橋 秋奈氏は、経理業務や各種バックオフィスでも、以前の運用体制には課題が生じていたと指摘します。

「以前は、工事現場の状況を一覧できるような環境がなかったので、社内の誰かに口頭で訪ねたりしていました。お客様への請求業務でも、職人さんから工事完了の報告を受けてから処理を行うような状態でした。もちろん吉田電工ではお客様にご迷惑をかけることなく、しっかり対応していましたが、やはり現場の状況を把握できるほうが、社内の関連業務や対応業務、調整はスムーズになります。」

データ可視化による工程管理の効率化、そしてコスト削減、一体感の醸成も実現

前山氏は各種のツールを検証しながら候補を絞り込み、最終的にSmartsheetの採用を決定します。決め手となったのは、実際にテストした際の印象でした。

「最初に感じたのは、Smartsheetが非常に使いやすく、工程管理に適したツールであるという点でした。画面構成が表計算ソフトに似ているため、社内導入のハードルも低く、スムーズに浸透すると感じました。どれほど多機能であっても、直感的に操作できなければ意味がありません。その点、Smartsheetは起動直後に全体像が把握しやすく、誰でもすぐに馴染める設計になっています。特に、プロジェクト管理におけるシートやダッシュボードの使い勝手の良さには、正直驚きました。さらに、コスト面もリーズナブルでありながら、自動化や外部データベースとの連携など、拡張性の高さにも優れています。仮に専門的なITスキルを持つスタッフがいなくても、Smartsheetを導入することで、業務のDX化や効率化をゼロから着実に進めることが可能です。多くの企業でSmartsheetが採用されている理由を、実際に使ってみて実感しました。」

こうして同社は2023年に導入。工程管理を軸に様々な改善を行っていきます。前山氏は既に大きな手応えを感じていました。

「最初に挙げられるのは利用が普及したことですね。今では100%、つまり全社員がSmartsheetを使っています。また、メモを添えながら簡単に写真を工程管理表にアップできる、あるいは他のアプリを仲介する形にはなりますが、LINE WORKSでステータスを通知できる仕組みもあり、全社員が現場の状況を知ることができます。コストを削減しつつ、全社的なデータの可視化が実現したのは本当に大きな進歩だと言えるでしょう。それと同時に私が実感するのは、意識の変化です。以前は職人の間でも、担当現場の仕事をこなせばいいという考え方があったのですが、データが可視化されたことによって、他の現場や職人にも目を配りながら、すべての工事を無事に完了させようとする意識が生まれました。これも画期的なことだと思います。」

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可能性は無限大。営業支援や事業開拓、データベース構築も視野に

高橋氏は社内の業務を通して、導入効果の大きさを日々実感すると語ります。

「例えばこれまでは、お客様の情報は工事の情報も手書きのものなどが多く、いざ過去のデータを調べようと思っても、なかなか見つからないこともありました。現在、工事にかかる情報は一元化されつつありますが、こういうデータは総務や経理業務だけでなく、見積もりの正確化や営業チーム支援、経営方針の決定などにも役立つはずです。可能性は無限大だと思いますし、Smartsheet を導入しただけで、ここまで様々なことができるようになったのは、まさに衝撃的でした。」

吉田電工におけるSmartsheetの活用は、これだけにとどまりません。最後に前山氏は、将来に向けた新たなアイデアについても語ってくれました。

「我が社では各種工事に関連した、お問い合わせフォームの制作なども行っています。昨年担当したイルミネーションの設置工事では、お問い合わせフォームに Smartsheetを組み込むという取り組みを行い、やはりデータの可視化や管理・分析の効率化などの点で、大きな成果を上げることができました。
個人的にはSmartsheet を使って、社内で基幹となるデータベースを構築していくことなども考えています。日々、蓄積される情報は、社にとってかけがえのない財産であり、新規の顧客開拓や事業開拓の土台にもなっていきます。今後もSmartsheetをどんどん活用しながら、吉田電工独自の特長を活かした、質の高いサービスを提供していければと考えています。」

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