マレーシアの会計事務所 CKP、Smartsheet によるデジタル化と自動化で売上と生産性が 30% 向上

マレーシアの会計事務所である CKP では、Smartsheet を使用して簿記プロセスと会計プロセスの管理をデジタル化および自動化し、1 週間あたりの時間を節約して、生産性を 30% 以上向上させています。

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業界

  • 財務

組織/団体規模

  • 新興/中小企業 (1 人~ 199 人)

地域

  • アジア太平洋 (APAC)

「最初のロックダウン期間中に、弊社では Smartsheet のクライアント マスター リストを使用して生産性への影響を評価し、影響を受けるクライアントを確認しました。世界的なパンデミックの最中でも、弊社の売上と生産性は前年と比べて 30% 増加しました。経営者にとって、特に計画と意思決定を行う際には可視性と透明性が重要です。この 2 つを得られたからこそ、実現できたのだと思います。」

Jeremy Chia

Chia Ka & Partners (CKP)、マネージング パートナー

Chia Ka & Partners (CKP) では、中小規模の企業に会計と簿記のサービスを提供しています。これはマレーシアの市場で十分なサービスが提供されていない分野です。マレーシアでの業務を近代化し、紙ベースのプロセスから転換するという目標の一環として、効率を向上させ、クラウドを活用できるテクノロジー ツールを必要としていました。CKP は 57Network Consultancy (57 ネットワーク コンサルタンシー) と提携して Smartsheet のソリューションを導入し、作業時間を年間数百時間節約して、時間どおりの業務遂行とクライアントとのコミュニケーションを向上させました。また、ちょうどよい時にソリューションが整備されたので、COVID-19 のパンデミック中もビジネスを円滑に遂行し続けることができました。

「マレーシアの公認会計士のほとんどは、中小規模の企業ではなく、海外や大企業で働くことを選びます。それで、人材のキャリアアップもビジネスの予算も限られているため、公認会計士を雇用することは SME にとって常に課題となっています。」と CKP のマネージング パートナーである Jeremy Chia 氏は述べています。「弊社のミッションは、SME に手ごろな会計サービスを提供し、中小規模の起業家が時宜にかなった正確な財務データで会社の業績を評価して、ビジネスの飛躍的な成長を実現できるようにすることです。また、デジタル化によって大規模な企業で財務プロセスが変化する様を目にしてきたため、同じ体験を SME にも提供したいと考えています。」

Jeremy 氏とビジネス パートナーである Edward Ka 氏は、市場に普及している紙ベースがメインの会計業務とクラウドを活用したより速く、効率的なアプローチを変換させたいと考えました。手動プロセスは進むのが遅いため、毎月の決算や四半期ごとの決算が間に合わないことがよくありました。これは、クライアントのビジネスに悪影響を与えます。Jeremy 氏は次のように述べています。「翌年の 2 月に 11 月の計算書が完成したところで何の意味があるでしょうか。意思決定には役立ちません。」同氏と Edward 氏は、作業をデジタル化するには、会計とプロジェクト管理両方をサポートでき、習得しやすく、使いやすいテクノロジー プラットフォームが必要であることを理解していました。

さまざまなプラットフォームを検討しましたが、どれも複雑でビジネスに必要な機能が備わっていませんでした。57Network (57 ネットワーク) のソリューション コンサルタントである Rick Benjamin Lye 氏に会い、CKP 固有のビジネス業務に合わせて、どのように Smartsheet をカスタマイズできるか実際に見ることができました。すぐさま、57Network (57 ネットワーク) と Smartsheet が必要なものだという結論に至りました。Rick 氏と同僚のソリューション コンサルタントである Vivien Chong 氏は、適切なソリューションを開発するために、2 日間にわたり、11 人の会計専門家で構成される CKP チーム全体とディスカバリ セッションを実施しました。

「弊社のトレーニングでは、当事者意識を持つことができるようにしています。」と Vivien 氏は述べています。「トレーニングは経営陣が希望することを伝えるだけではありません。本来、現場で実際に仕事をしている人から意見を聞くものです。ブレインストーミング セッションとチーム活動を行い、すべての問題を洗い出し、新しいアイデアについて考え、信頼、関係、コミュニケーションを構築しました。私のモットーは、『効果的なチームとはハッピーなチームである』です。効果的に良い仕事をすれば、チーム全体がハッピーになります。」

生産性と時間どおりの業務遂行が 30% 向上

CKP の Smartsheet ソリューションによって、クライアントごとの唯一の情報源である会計データが、電子メール、アップロードされた請求書画像、スプレッドシートに取って代わりました。CKP のアナリストは必要なドキュメントのチェックリストを作成できます。クライアントは、正しい項目をアップロードしていることをすぐに確認でき、未処理の項目も把握できます。

Smartsheet は CKP が使用している Xero 会計システムと統合されているため、データ入力が不正確になったり、作業が重複したりすることがありません。Jeremy 氏は月次決算が時間どおりに行われる比率が 70% に上昇し、30% 向上したと述べています。節約できた時間を利用して、Xero をより効果的に使用する方法を学んでいます。その結果、Xero (ゼロ) の 2020 年 Malaysia Emerging Partner of the Year 賞の最終選考に名前が挙がりました。

Smartsheet では、買掛金の管理も簡素化されています。クライアントは請求書をスキャンし、WhatsApp を使用して画像を CKP に送信します。以前はダウンロードして手動で処理していました。現在は、クライアントが請求書を送信すると、CKP のスタッフが Smartsheet にそれらをアップロードし、銀行の振替伝票と承認フォームを作成します。クライアントはオンラインでクリックして承認するだけで、支払いが自動的に処理され、記録されます。アラートとリマインダーを自動化することで、スタッフとクライアントは期限を常に意識し、従業員は祝日や休暇から戻ったときにタスクに優先順位を付けることができます。

CKP で見られた最大の改善点の 1 つに、スタッフ配置の計画を立てる際の時間の節約があります。前のプロセスでは、各従業員が現在の仕事とクライアントのリストを Edward 氏にスプレッドシートで送信していました。同氏は毎月 1 日かけてこれをまとめていました。毎週金曜日、Edward 氏と Jeremy 氏はチーム全員と 2 時間の会議を設けて、新しいクライアントやプロジェクトの変更など、月次計画を更新することがありました。今では、全員が Smartsheet で各自のステータスを更新しています。Edward 氏は月次計画を約 30 分で立てることができます。情報がリアル タイムで更新されるため、金曜日の会議の時間を専門的な開発トレーニングに使うことができます。

「11 人それぞれが毎週 1 時間ずつ節約できれば、1 週間で 11 時間の節約になります。」と Jeremy 氏は述べています。「それが 52 週だと、572 時間節約できます。Smartsheet により、この金曜日の会議の時間を、直面している問題を内部で共有したり、会計関連のトレーニングを行ったり、クライアントとのプレゼンやコミュニケーションなどのソフト スキルを磨くために使用できています。時間を無駄にするのではなく、知識を深めるために使用しています。」

コミュニケーションと透明性の実現

Smartsheet により、CKP の従業員はクライアントや従業員同士のコミュニケーションをより簡単に行えるようになりました。COVID 以前、Jeremy 氏と Edward 氏は、クライアントや見込み客とオフィスの外で会議をすることが多く、電子メールや電話に対応することなく、Smartsheet のモバイル アプリを使用してアナリストの仕事を確認したり、承認したりすることができていました。今はチームがリモートで仕事をしているため、Smartsheet によってつながりを保ち、全員の仕事を把握することができます。このため、離れている負担を軽減できます。

「マレーシアで、ロックダウンを経験しました。」と Edward 氏は述べています。「私たちの生活に大きな衝撃をもたらしました。すべてを直ちに止める必要があったため、どの企業もパニックに陥りました。しかし、Smartsheet が導入されていたので非常に楽観的でした。全員が必ず Smartsheet でステータスを更新し、自宅から仕事をすることができるようにしただけですが、それでも生産性を達成できました。」

Smartsheet のソリューションはチーム全体で共有されるため、全員が各自の生産性を同僚と比較できます。また、この透明性により、チームの各メンバーとフィードバックを共有することや、改善の計画を立てることがより簡単になります。

「期限に間に合わせるという問題がよく発生していたとき、チームに状況を尋ねました。」と Jeremy 氏は述べています。「答えは、決まって忙しすぎるというものでした。しかし、月末から 1 ~ 2 週間後に尋ねられることが多かったため、チームは直面している問題を正確に伝えることができませんでした。時間が経つと、人は忘れてしまいます。Smartsheet により、期限や問題を体系的にチェックできるようになりました。また、KPI のレビューにも使用できます。仕事の質を確認したり、改善する必要がある箇所を確認したりすることができます。また、責任を押し付け合う問題が解決し、士気が高まります。」

マレーシアで業界の良き手本となる

Jeremy 氏と Edward 氏は、Smartsheet によって実現した継続的な改善により、翌年の請求可能な対象を 50% 増加させることができると述べています。しかし、両氏は CKP を可能な限り最高レベルの会計事務所にするだけではなく、マレーシアの業界を近代化し、同業者がより効率的に仕事をするのに役立つ戦略やリソースを共有したいと考えています。

「マレーシアにおいて、ほとんどの会計事務所の収益は、大部分が監査サービスや税務サービスからのものです。」と Jeremy 氏は述べています。「会計と簿記は通常、収益のわずかな部分でしかありません。しかし、CKP はその反対で、収益の大部分が会計と簿記によるものです。大量の手動プロセスと面倒な書類が主な要素ですが、Smartsheet を導入すれば、他の会社もデジタル化を採用することで収益の観点から会計部門を拡大できる大きな機会を得られるのではと考えています。」

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