Stellar Bank: Smartsheet で合併を加速し、アジリティ向上とコスト削減にも成功

複数のスプレッドシートでデータ セットを手動更新していると、データに一貫性がなくエラーが発生します。多くの企業が、こうした状況への対処がいかに困難かを認識しています。たとえば、見つけたい情報が誰のメール ボックスのどこにあるかがわからない、組織や地域に電話、電子メール、紙などの連絡手段しかないために業務が進まない、といった状況などが思い浮かびます。

2 つの企業が、互いに一貫性のない IT 環境を統合するとなると、そうした課題が倍増します。お気付きのように、Stellar Bank が直面した課題は、前身の Allegiance Bank (アリージャンス バンク) と CommunityBank of Texas (コミュニティバンク オブ テキサス) が持つ業務アプリケーション、プロセス、通信システムを統合し、Stellar としての仕組みを作ることでした。 

しかし、時間をかけてはいられません。

Stellar Bank で VP 兼エンタープライズ テクノロジー ソリューション担当ディレクターを務める Jason Trevino 氏は、こう話します。「2 つのシステムをできるだけ早く統合したいと考えていました。そうすれば、合併の完了後に、すべてのサービスを一貫したカスタマー エクスペリエンスとともに提供できます。しかし、IT 統合の作業に取りかかるのは、通常、合併契約実行の 1 か月後です。そのタイミングでなければ作業を開始できません」

共同作業をすぐに開始できることが、合併の加速とカスタマー エクスペリエンスの向上につながる

Allegiance Bank と CommunityBank of Texas の共同作業では、そうした遅れが生じることはありませんでした。Smartsheet の導入を決めたことで、そのような遅延を解消し、両行の共同作業をただちに開始できたからです。

「Smartsheet のおかげで、合併を締結した瞬間から 2 つの銀行間で共同作業が行えました」と Trevino 氏は語ります。

「そうした事例は、見たことも、聞いたこともありません。安全な電子メール システムやポータルが構築されるのを待つ必要はありませんでした。データ セキュリティとプライバシーの規制要件にも準拠しています。それを Smartsheet で実現したのです」

技術面での合併がすぐに可能になることは、あれば助かる機能などではありません。Stellar のブランドとカスタマー エクスペリエンスの向上に直結する機能です。「当行では、顧客のあらゆるニーズを満たす大規模な地方銀行で、最高クラスのカスタマー エクスペリエンスを提供しています。Smartsheet によって、独力で取り組むよりも短期間でこれを実現できました」。Trevino 氏はそう語っています。

PPP 導入によって信用度が大幅に向上

Stellar Bank にとって最も驚くべき最大の成功は、給与保護プログラム (PPP) の導入だと Trevino 氏は言います。 

「高速かつ正確で信頼性の高いエンドツーエンドの PPP プロセスを迅速に展開し管理できたことで、当行への信用が非常に高まりました」と Trevino 氏は語ります。

「当行は、サービスを提供した顧客の数、融資決定の件数、雇用の提供数が認められ、国内最大手の銀行のいくつかとともにリストアップされました。そのようなリストに並んだことは一度もありません。Smartsheet を導入していなければ、これほど早くアプリを開発し、これほど多くの人を救うことはできなかったでしょう」

Trevino 氏は、Smartsheet の柔軟性とアジリティを高く評価し、こう語っています。「Smartsheet によって 、アプリを公開した後でさえ、ワークフローとプロセスを微調整できました。何の躊躇もなく、プロセスを効果的に改善できたのです」

プロセス短縮、アジリティ確保、コスト削減を実現

Stellar では、Smartsheet を利用して、増大する業務プロセスを強化および変革し、予期せぬニーズに俊敏に対応しているほか、カスタマー エクスペリエンスや生産性の向上などを行っています。

• 年に 120 日かかっていた四半期決算が、7 日で完了するようになった
• 少なくとも 10 日かかっていた、申請承認などのエンドツーエンドのプロセスが、1 日で完了するようになった
• 構築に数日かかっていた概念実証が、2 時間で構築できるようになった
• 以前使用していたさまざまなサードパーティ アプリを Smartsheet に置き換えたことで、ライセンスとメンテナンスのコストが減少した

プロジェクト マネジメントから M&A まで

Stellar の前身の 1 行が Smartsheet をプロジェクト管理ソリューションとして利用していたため、Trevino 氏は同僚とともに、Allegiance と CommunityBank of Texas の合併を Smartsheet で計画し、管理しました。同氏は、Smartsheet ダッシュボードとレポートを使い、合併に関わる 200 人超のステークホルダー向けに、プロジェクト全体の計画を確立しました。同行で求められていたのは、プロジェクト管理ソリューションを超える機能でしたが、Smartsheet ならそれに応えられると Trevino 氏は考えていました。

同氏は、主導者となって Smartsheet の導入を拡大し、フォーム、シート、イベントのプロセスを自動化しました。Allegiance と CommunityBank of Texas では、Smartsheet を共通プラットフォームとして使い、互いのシステム間に存在するギャップを解消しました。共同作業を Smartsheet で行ったため、監査体系の変更や、規制要件への違反が生じかねない IT システムの変更などは必要ありませんでした。 

ノーコード プラットフォームで、直感的なアプリの開発が容易に

こうした合併を短期間で実現しようと、Stellar では、WorkApps、Bridge、Data Mesh、Data Shuttle などのさまざまな Smartsheet 機能を利用しました。

WorkApps は、ノーコード プラットフォームであり、これによって、シート、フォーム、レポート、ダッシュボードといった、ナビゲートしやすいアプリを構築して、統一されたユーザー エクスペリエンスを提供できます。単なるプロジェクトや会議の管理に使えるだけではありません。拡張することで、Stellar で生じているようなニーズに対応したり、複雑なプロジェクト ポートフォリオで何百ものステークホルダーと共同作業を行ったりすることも可能です。 

同行では WorkApps を使って、Allegiance と CommunityBank of Texas の現在のプロセスと 2 行間の差異を特定するとともに、両行が表示および操作できるデータをセグメント化して、規制上の理由で合併完了まで機密にすべきデータが公開されないようにしました。これにより、各部門では、文書、添付ファイル、メモ、議事録などを共通のポータルを介してすべて転送したり保存したりできるようになりました。また、同行は、業務依頼の透明性確保を目的としたダッシュボードを構築し、WorkApps をコミュニケーションと共同作業の手段として利用するようにしたため、個別の電子メール システムに頼る必要がありませんでした。

サービス アプリを統合し、信頼できる情報源を一元化

自行のサービス アプリケーションを Smartsheet に統合しようと、Stellar では、Smartsheet の Bridge 機能を利用しました。これにより、システム間でデータ連携を行い、日常的なタスクを自動化できます。最初に Bridge を使用してローン組成プロセスを Smartsheet に統合し、新型コロナ禍に給与保護プログラム (PPP) ローンを迅速に行えるようにしました。また、Data Shuttle によって、プラットフォーム間でのデータ移動を自動化するとともに、信頼できる情報源を一元化し、リアルタイムの意思決定に活用しました。さらに、大規模なシートとレポート間でのデータ マッピングに Data Mesh を利用して、データの重複排除、共同作業の促進、プロセス自動化による作業の迅速化を行いました。 

Stellar では、今後も Smartsheet を使用して、クレジット例外監視プロセスなどの業務プロセスや業務アプリケーションを自動化し、統合していきます。 

「何より劇的な変化は、スプレッドシート、文書作成ソフトウェアのドキュメントなど、ネイティブに共有できない媒体でのデータ確認に、従業員が満足しなくなったことです」と Trevino 氏は語っています。

「スタッフからは、データとプロセスを Smartsheet で確認できるようにしてほしいという要望が常に寄せられています。そうすることで共同作業が可能になるからです。多くの場合、当行での技術利用の浸透には、長い時間がかかります。しかし、従業員が Smartsheet の有用さを実感すると、利用率が、ある週末だけで 25% から 85% に上昇しました」

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