カスタマイズ可能な無料のリスク マトリクス テンプレートをダウンロード

By Andy Marker | 2017年3月15日

リスク マトリクスは、それぞれのリスクの潜在的な影響と発生可能性にランクを付けるもので、プロジェクトまたはビジネスのリスクに対する優先順位付けに役立ちます。ここでは、リスク マトリクス テンプレートから、リスクの特定と低減に役立つものをまとめました。

このページでは、無料のリスク マトリクス テンプレートを紹介し、リスク マトリクスの有用性と、医療機関におけるリスク評価の重要性について解説します。 

無料のリスク マトリクス テンプレート

リスク マトリクスは、リスク深刻度マトリクスとも呼ばれますが、リスクの優先順位決定に役立つものです。リスクの深刻度と発生可能性を判断した後、リスクを対処する順にリストします。色分けはリスクのランク付けの可視化に役立ちます。また、マトリクス内の領域を、一般に許容可能 (GA)、合理的な最小限度 (ALARP)、一般に許容不可能 (GU) として指定すると、優先すべきリスクを一目で把握できるようになります。これらの領域の詳細については以下をご覧ください。 

3x3 リスク マトリクス テンプレート

3x3 リスク マトリクス

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この 3x3 リスク マトリクス テンプレートは、シンプルさを重視するチームや組織に最適です。テンプレートには、各リスクの深刻度と発生可能性の両方をコード化するためのレベルとして「低、中、高 」の 3 つ (それぞれ 1、2、3 の値が割り当てられます) が用意されています。深刻度と発生可能性の値を決定した後、グリッド ビューを使用して、先に対処する必要があるリスクを決定します。

3x4 リスク マトリクス テンプレート

リスク マトリクス

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この 3x4 リスク マトリクス テンプレートでは、発生可能性と深刻度のスケールに数値を使用しません。各パラメーターのオプションを選択した後、マトリクスの値を使用して各リスクの深刻度レベルを決定します。

5x5 リスク マトリクス テンプレート

5x5 リスク マトリクス

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5x5 マトリクス テンプレートには追加の拡大縮小オプションが用意されており、各リスクについてより詳細な情報を必要とする組織に最適です。深刻度と発生可能性の値を決定した後、グリッド ビューを使用して、リスクの優先度を決定します。

リスク管理マトリクス テンプレート

リスク管理マトリクス テンプレート

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このリスク管理マトリクスを使用して、リスクを特定し、リスクを軽減する必要がある時期を判断します。このテンプレートを使用すると、リスク軽減の前後でリスクの影響と可能性を評価し、リスクの影響を管理するために実行するアクションを書き留めておけます。 

リスク コントロール マトリクス

リスク管理マトリックス テンプレート

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このタイプのリスク マトリクスは、日常的に高いリスクに直面する組織やプロジェクトで役立ちます。リスクとその影響に加えて、結果として生じる損失を抑制するための自動および手動の管理方法も示します。このリスク コントロール マトリクスは、事後に使用してリスク対応計画を作成できます。また、プロジェクトまたは組織のニーズに合わせてカスタマイズすることもできます。

IT リスク評価マトリクス テンプレート

 

IT リスク評価マトリクス テンプレート

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IT にはさまざまな固有のリスクが伴います。今日のデータ主導の環境では、このリスクが重大な結果をもたらすことがよくあります。データ、システム、ネットワークに対する脅威は、自然災害からハードウェア障害に至るまで、さまざまな原因で発生します。しかしながら、IT においては、外部からの脅威 (ハッカーやテロリスト)、内部からの脅威 (ログイン資格情報を持つ元従業員)、信頼済みの内部関係者 (不正なアクセス権を持つ現在の従業員) など、多くのリスクが人によるものとなっています。

この IT リスク分析マトリクスを使用すると、最も壊滅的なリスクへの対応計画を立て、中程度のリスクを抑制し、それほど重大ではないリスクを監視することができます。データとシステムの要件、データおよびシステム機能の回復に要する時間、対応中にビジネスを遂行するために必要な最小限のスタッフと設備を考慮してください。

ビジネス リスク評価マトリクス テンプレート

 

ビジネス リスク評価マトリクス テンプレート

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このリスク マトリクスの例では、企業が経験する可能性のあるリスクを予測する方法を示しています。この予測により、リスクが収益に影響を与える前に対処する準備を整えることができます。 

このビジネス リスク評価マトリクスを使用して、潜在的なリスク、影響を受ける資産、部門およびビジネス エンティティ、各リスクの発生可能性、利用可能な防止策または軽減策などをリストします。

ビジネスによっては、影響の評価は財務上の損失、運営上の困難、顧客の減少などの尺度に関連します。

組織がサードパーティに関連するビジネス上のリスクを評価する方法の追加情報とリソースについては、「ベンダーの評価と評価の簡素化」および「無料ベンダー リスク評価テンプレート」の記事を参照してください。

リスク対応マトリクス テンプレート

 

リスク対応マトリクス テンプレート

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このリスク対応マトリクスを使用すると、リスク自体を分析することに加えて、対応計画の概要を作成することもできます。  この Excel 用リスク マトリクス テンプレートでは、リスクをリストしてその発生可能性と影響を評価し、それぞれに対する対応 (「低減」や「排除」など) を記入することができます。また、リスクに対する緊急時対応計画、対応をトリガーするイベント、対応の担当者についての説明も記入できます。 

このリスク マトリクスは、リスクの高い業界、組織、プロジェクトで特に役立ちます。リスクの影響だけではなく、注意すべきトリガーや、発生したリスクに対処するための適切な計画も一目で理解できます。

建設リスク評価マトリクス テンプレート

 

建設リスク評価マトリクス テンプレート

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建設プロジェクトにはさまざまなタイプのリスクが多数存在します。職場でのリスク (労働者の負傷や事故)、財務上のリスク、プロジェクトのリスク、自然災害リスク、競争のリスクなどがその一例です。

建設リスク評価マトリクスを使用すると、一般的なリスクを予測し、そのリスクがプロジェクトに与える影響を測定できます。また、請負業者、所有者、設計者のうち誰がリスクに対処する責任があるかを記載することもできます。このリスク評価マトリクスのサンプルを使用すると、スケジュールと予算に従い、最終的に利益率を保護できます。

プロジェクト リスク マトリクス テンプレート

 

プロジェクト リスク マトリクス テンプレート

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このリスク評価マトリクスを使用して、リスクの発生確率について定性的なリスク分析を実施し、それぞれのリスクがプロジェクトの範囲、スケジュール、予算、完了にどの程度影響するかを評価します。  このリスク マトリクス テンプレートでは、リスクを引き起こす可能性のあるイベント、対応の担当者または担当組織、対応計画と合わせて、対応前と対応後の両方のリスクを評価できます。

リスク マトリクスとは何か

リスク マトリクスとは、発生したイベントの深刻度を 1 つの軸に、発生確率をもう 1 つの軸にプロットしたグラフです。マトリクスはテーブル形式にすることもできます。テーブル形式の場合は、リスク発生の可能性と影響が列、リスクが行になります。このように既存のリスクと潜在的なリスクを可視化することで、その影響を評価し、最も優先度の高いリスクを特定できます。そこから、最も注意の必要なリスクに対応する計画を作成できます。 

リスク マトリクス チャートとは、リスク評価フォームに記載されている情報を簡略して表示するものです。多くの場合、これはリスク管理プロセスの一部となります。このフォームはより複雑で、リスクの特定、背景データの収集、リスクの可能性と深刻度の計算、リスクの防止および管理戦略の概要の作成などが含まれます。 

リスク管理とは、組織が目標を達成し、プロジェクトを軌道に乗せ、予算とスケジュールを守るためにリスクを発見および分析し、対処するプロセスです。計画、識別、分析、対応、監視/コントロールの 5 つの段階があります。リスク マトリクスの作成は、多くの場合、リスク管理プロセスの最初の段階の 1 つで、分析フェーズ (リスク評価フォームが作成された後) で実行されます。

リスク マトリクス テンプレートの使用方法

リスク マトリクスは、リスク管理マトリクス、リスク評価マトリクス、リスク分析マトリクスとも呼ばれますが、このテンプレートは次の 2 つの側面に重点を置いています。

  • 深刻度: リスクの影響とその結果生じる悪影響。
  • 発生可能性: リスクが発生する確率。 

リスク マトリクスにリスクを配置するには、その深刻度と発生可能性に評価を割り当てます。次に、これをグラフの適切な位置にプロットするか、表で評価を提示します。一般的に、次のような分類が使用されます。

深刻度: 

  • 重要でない: 現実的には悪影響を及ぼさない、または組織やプロジェクトに重大な脅威を与えないリスク。
  • 微小: マイナスの結果をもたらす可能性がわずかにあるが、全体的な成功には大きな影響を与えないリスク。
  • 中程度: 潜在的に悪影響をもたらし、プロジェクトまたは組織に中程度の脅威を与える可能性のあるリスク。
  • 重大: 組織またはプロジェクトの成功に甚大な影響を与える、深刻な悪影響を伴うリスク。
  • 破壊的: プロジェクト全体の失敗や組織の日常業務に重大な影響を与える可能性のある、極めて深刻な悪影響を伴うリスク。このリスクは最優先で対処する必要があります。

発生可能性:

  • 可能性極小: 発生する可能性がほとんどない、極めて稀なリスク。
  • 可能性低: 比較的稀ではあるが、わずかに発生する可能性のあるリスク。 
  • 可能性中: 約 50/50 の確率で発生する、より一般的なリスク。
  • 可能性高: 発生する可能性が非常に高いリスク。
  • 確定的: ほぼ確実に発生するリスク。まずこのリスクに対処することになります。 

リスクの分類と優先順位付け

それぞれのリスクをマトリクスに配置した後、全体的なリスクのランク付けを行います。重大な悪影響をもたらすリスクと発生する可能性が非常に高いリスクには最高のランクを、影響度が低く発生可能性も低いリスクには最低のランクを付けます。  リスクのランク付けは、影響度と発生可能性の評価を組み合わせて、全体的に最大の脅威をもたらすリスク (つまり、最優先で対処するべきリスク) を特定するのに役立ちます。 

組織によっては、数値スケールを使用して、より具体的なリスクのランクを割り当てる場合もあります。ただし、ほとんどのランク付けでは、いくつかの大まかなカテゴリに分類することになります。多くの場合、このランクは色で区別されます。

  • 低: 影響は軽微であり、発生する可能性が低いリスク。こうした種類のリスクは無視されることが多く、色分けには緑色がよく使われます。
  • 中: 多少なりとも発生する可能性があり、より深刻な結果を伴うリスク。可能であれば、中程度のリスクが発生しないように対策を講じます。ただし、中程度のリスクは最優先ではなく、組織やプロジェクトの成功に大きな影響を与えるものではありません。多くの場合、このリスクの色分けには黄色が使われます。
  • 高: 重大な結果をもたらし、発生する可能性も高い深刻なリスク。短期的にはこのリスクを優先して対応します。多くの場合、色分けにはオレンジ色が使われます。
  • 極大: 甚大な結果をもたらし、発生する可能性が非常に高い壊滅的なリスク。極大リスクを最優先とします。組織やプロジェクトの成功が脅威にさらされる可能性があるため、直ちに対応する必要があります。多くの場合、色分けには赤色が使われます。

リスクをランク付けしたら、「高」または「極大」のリスクを防止または対処するためのリスク対応計画を立てます。作業の開始前に、「低」または「中」にランク付けされたリスクへの対応は不要とされる場合もあります。  

リスク テンプレート マトリクスの領域

多くの組織では、マトリクスを領域に分割することで、リスクをさらに明確に把握しています。

  • 一般的に許容可能 (GA): チャート上で「低」にランク付けされている領域はリスクの影響がほとんどなく、発生する可能性も低いと考えられています。この領域のリスクはプロジェクトや組織に直ちに脅威を与えるものではありません。また、一部には無視できるリスクもあります。 
  • 合理的な最小限度 (ALARP): これは許容可能なリスクの領域で、「低」および「中」ランクの領域をカバーしています。マトリクスのこの領域に含まれるリスクは、許容可能であるか、重大な損害をもたらさないリスクであるため、直ちに対処しなくても業務を続行できます。 
  • 一般的に許容不可能 (GU): これは、リスクが「高」または「極大」であるチャートの領域です。この領域のリスクは被害が甚大で、発生する可能性も高く、プロジェクトや組織を脅かす可能性があります。このリスクは最優先事項として直ちに対処する必要があります。 

検証とリスク対応

適切なリスク マトリクス チャートを選択し、適切に完了できるようにするには、現実のシナリオで検証します。テンプレートを選択し、組織が直面するリスクの例を入力します。マトリクスを使用してリスクの深刻度と発生可能性を定量化します。その後、チームが「GU」ランクのリスクに対する対応計画を作成することになります。

業界や組織の規模によっては、リスク評価および対応のための追加リソースが必要になる場合があります。例えば、U.S. Occupational Safety and Health Administration (米国労働安全衛生庁、OSHA) には、労働者が自然災害に対応する際に使用するための専用マトリクスがあります。Hazard Exposure and Risk Assessment Matrix (危険暴露とリスク評価マトリクス) は、ハリケーンの影響を受ける地域で労働者と雇用主がリスクを評価し、より効果的に業務を遂行するのに役立ちます。

もちろん、リスク評価マトリクスは、意思決定を支援するためのツールに過ぎません。リスク管理チームは、現在のリスクまたは潜在的なリスクを防止および軽減し、リスクに対応する方法を決定する前に、必ずマトリクスとリスク自体の両方を慎重に分析する必要があります。リスク マトリクスは、プロジェクト管理において、リスクがプロジェクトの範囲、スケジュール、コストにどのように影響するかを検討するためによく使用されます。このマトリクスは、建設業や IT などさまざまな業界でも使用されています。弊社のリスク マトリクスの無料サンプルには、さまざまな業界向けのタイプが多数含まれているため、ニーズに適したマトリクスを見つけることができます。 

医療機関におけるリスク評価の重要性

臨床検査のエラー、病院施設の問題、保護対象医療情報 (PHI) のセキュリティ侵害など、医療機関に影響を与える潜在的な脅威は数多く存在します。医療機関はリスクとコンプライアンスに関して厳しい規制を受けています。リスク評価体制を確立し、そのリスクがどこに存在するのかを判断することは、ビジネスにとって法的な面と機能面の両方において非常に重要です。

リスクに対処するための計画を作成することで、最も重大な脅威を特定し、発生可能性を評価して、リスクを軽減する方法を決定する際に役立ちます。また、リスク評価により、PHI が存在する場所をすべて特定し、機密情報を保護できるため、対象を絞ったリスク対応を確立できます。

医療のリスク評価は包括的である必要があります。組織の承認されたメンバー全員がアクセス可能とし、プロセスと情報に対するすべての潜在的な脅威を特定して対処する方法を十分に備えておかなければなりません。すべての医療データ、情報、手順に対し適切な監査を行い、潜在的なリスクがないことを確認するには、すべての潜在的な脅威をリアルタイムで可視化し、同時にリスクを迅速に特定、軽減、防止できるツールが必要です。

Smartsheet は、ヘルスケア企業がリアルタイムのダッシュボードを使用して組織全体のリスクを表示および更新し、適切なタイミングで最適な判断を下せるようにする作業実行プラットフォームです。特定されたリスクを取り上げ、発生可能性と深刻度を更新し、リスクの対処方法を監視して、チーム内での認識を統一しながら PHI のセキュリティと保護状態を最大限確保します。ダッシュボードで共有設定を設定して、承認されたユーザーのみが機密情報にアクセスできるようにすることで、組織が HIPAA 規制に準拠するようにします。

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