記事

戦略を実行に移す方法

by The Smartsheet Team

2024年1月16日

戦略を実行に移すための 7 つの主要なステップ

 

PPM Blog Visual #1

 

健全な戦略はどのようなビジネスの成功にも不可欠ですが、その戦略を実行に移すことは大きな課題となります。また、戦略の一貫した実行は、最強の企業を他社から際立たせるものでもあります。目標、期限、KPI を達成していない組織では、ギャップがどこに、なぜ存在するのかを把握する必要があります。

この記事では、戦略と実行のギャップの兆しを詳しく説明し、組織が目標を達成し、実現するための 7 つの重要なステップの概要を示します。

戦略と実行のギャップの兆しとは

戦略と実行のギャップは、組織のリアルタイム実行が、計画フェーズでチームが策定した目標を達成できない場合に生じます。ビジネスが成長し進化するにつれて、こうしたギャップを特定するプロセスに加えて、さらに重要な点としてギャップ自体を防ぐことが一層複雑になります。実行のギャップを示す指標には以下が含まれます。

  • 目的と目標が未達成である
  • 戦略計画で概要が示されている重要なイニシアチブの進捗が遅れている、または進捗状況を追跡することが困難である 
  • 従業員とチームが、戦略目標に関連した役割と責任を明確に理解していない 
  • 時間、労力、予算などのリソースの割り当てが不十分である 
  • 組織のさまざまなレベル間で誤解や不一致が生じている
  • 市場投入までの時間が遅れている 

戦略の実行で成功するための 7 つの重要なステップ

以下のステップをプランニング プロセスに組み込むことで、初日から成功につながる戦略を策定することができます。 

1. 健全な戦略から始める。

実行可能な戦略から始めるのは、一見当たり前のように思えるでしょう。しかし、多くの組織は、戦略に必要なストレス テストを実施することなく、実行フェーズに突入してしまいます。まずは一歩下がって全体を見渡して、戦略が実行可能かどうか、また戦略を実行すべきかどうかを見極めることが極めて重要です。戦略を策定する際には、次の点について検討します。

  • 戦略は組織の現実と一致しているか?戦略は、現在の能力、人材、リソース、時間を考慮して実際に何が可能であるかを反映している必要があります。
  • 戦略は明確かつ具体的で理解しやすいか?ビジネスのあらゆるレベルの人々が、自分の役割や日常業務に戦略がどのように適用されるのかを理解できる必要があります。
  • 組織全体からの視点が戦略に含まれているか?あらゆるレベルの従業員の集合的な知恵により、トップダウンの視点からでは明瞭にならないインサイトやアイデア、潜在的な落とし穴が明らかになります。

 

PPM Blog Visual #2

2. 共有ビジョンを作成する。

建築家が設計図を基に建築するためには技術者、建設業者、職人から情報を収集する必要があるように、日常業務レベルで戦略を実施する人々やチームに積極的に関与してもらうことが重要です。戦略の背後にある「理由」を伝えることで、チームがその根本的な原因をより深く理解し、仕事により強いつながりを感じられるようにします。リーダーは計画フェーズで最善の意図を持っているかもしれませんが、戦略を実行する側は、プロセスのあらゆる側面に影響を与える可能性のある、さまざまな優先事項や義務のバランスを取ろうとしている可能性もあります。全員の参加を得ることで、当事者意識、コミットメント、整合性が高まります。 

3. 実行成功の指標を明確に定義する。

明確な KPI がなければ、戦略の実行は単なる推測ゲームのようになってしまいます。このような指標は、進捗状況と戦略的目標との整合性を測るための基準になります。明確かつ定量化の可能な KPI は、成功についての共通理解を確立するだけでなく、チームがパフォーマンスをリアルタイムで追跡し、改善の必要な領域を特定して、データに基づいた意思決定を行うのにも役立ちます。また、ナビゲーション ツールとしても機能し、チームは戦略的優先事項に集中できるようになります。

4. 効果的なコミュニケーション チャネルを確立する。

コミュニケーションは戦略の実行における基盤となります。透明性のあるコミュニケーションにより、チームの全員が全体的な目標、目標達成における自分の役割、自分の仕事が全体にどのように貢献するかを理解できるようになります。また、従業員が情報に基づいた意思決定、質問、貴重なフィードバックの提供を行うと共に、誤解や不一致を防ぐことができます。明確なコミュニケーション チャネルがあれば、リーダーは戦略の変更、更新、調整を即座に伝達することもできます。

PPM Blog Visual #3

5. あらゆるレベルで意思決定の権限を与える。

戦略策定から実行までのタイムラインは、トップヘビーの意思決定構造では完全に停滞する可能性があります。意思決定を分散化することで、リーダーはプロセスを加速できるだけでなく、チーム全体の集合的な知恵、創造性、専門知識を活用することもできます。あらゆるレベルでのリーダーシップと管理スキルの能力開発に投資し、自分で決定できるものと決定できないものを従業員が明確に理解できるようにします。

6. 緊急時対応計画を組み込む。

緊急時対応計画は、戦略の実行中に生じる可能性のある予期しないイベントやリスクに対処するよう設計されています。戦略に緊急時対応計画を組み込むことは悲観的な前触れではなく、むしろ予測不可能な環境における賢明なリスク管理と回復力を確保するための戦略的な必要性と言えます。これらの計画により、組織は予期しない課題にも効果的に対応し、混乱の影響を軽減して、ポートフォリオの目標を保護することができます。

7. 継続的な学習と適応を促進する。

戦略実行を成功させるには、俊敏性と適応性の両方が必要です。継続的な学習の文化を促進させ、チームが新しいスキルを習得し、競合他社の動向をおさえ、業界のトレンドを常に把握するように奨励します。実行プロセスを定期的に監視し、必要に応じて計画を調整できるようにします。成功と失敗の両方から学び、そのインサイトを活用して実行戦略を改善します。

チームが現在の戦略実行の状況をよりよく理解できるよう、Smartsheet プロジェクトおよびポートフォリオ管理の成熟度評価を行うことをお勧めします。 

 

PPM Blog Visual #4