オンライン共同作業ソフトウェアとは
シンプルなインスタント メッセージから、会議、電話、ビデオ会議まで、共同作業ソフトウェアにはさまざまな形態があります。特定の要素に特化したアプリケーションもあれば、複数の機能が組み込まれたアプリケーションもあります。作業者がどこにいても同じドキュメントで同時に共同作業ができるアプリケーションも増えています。
ウィキペディアでは、共同作業ソフトウェアを「共通のタスクに関わる人が目標を達成できるよう支援することを目的としたアプリケーション ソフトウェア」と定義しており、「個人作業と共同作業の両方をサポートし、今後地理的な場所に関係なく連携できるようになる新しい専門家、つまり e プロフェッショナルをサポートする共同作業環境」であることが、メリットとして記述されています。
このカテゴリのツールは多数ありますが、この記事では、オンライン共同作業ソフトウェアを SaaS (サービスとしてのソフトウェア) またはクラウドとして提供され、多くの機能が 1 つのプラットフォーム内に直接組み込まれた、または他のアプリケーションと統合された、ソフトウェア アプリケーション、プラットフォーム、またはツールと定義します。
ここ数年、クラウドベースのソフトウェアの使用が急増していることから、共同作業ツールの利用に関する説明には、さまざまな用語が登場します。そのうち重要なものをいくつか紹介します。
- 調整機能: すべてのプロジェクトにおいて、チーム メンバー全員との調整はビジネス上重要な要素です。適切な共同作業ソフトウェアでは、タスク、プロジェクト、納期、割り当ての調整が可能です。また、チーム メンバーと連絡を取り合い、一緒にタスクを調整することもできます。
- エンタープライズ共同作業: 近年、共同作業ソフトウェアのイノベーション、機能、性能を推進しているのが、エンタープライズレベルのグローバル企業のニーズです。これまで大企業は、大きな仕事を処理できるように巨大なソフトウェア ソリューション、ツール、サーバーを導入してきましたが、それでも現場の従業員は、個別のツール、プランナー、スプレッドシートを使用していました。しかし新世代のソリューションは、企業のあらゆるレベルから支持され、使用されています。このため、円滑な共同作業とプロジェクト管理が実現し、拡張も可能です。
- 非同期型の共同作業ツール: このツールはサーバーによって管理され、サーバーを介してメッセージを送受信できるようします。つまり、リアル タイムではなく、サーバーが設定したスケジュールで通信が行われます。
- 同期型の共同作業ツール: Skype、Yammer、Google Chat などのオンライン コミュニケーション ツールの正式名称です。
共同作業ツールの過去、現在、そして未来
人がプロジェクトに共同で取り組む限り、ワーカーは共同作業ツールを使い続けています。20 世紀初頭、電話や電信などの広範なコミュニケーション ツールにより、近代ビジネスの状況は一変し、見込み客とつながるために、営業担当者が一軒一軒訪問しなくてもよくなりました。顧客の来店を待つ必要もありません。20 世紀後半にインターネットが普及すると、従業員は電子メール、インスタント メッセージ、VoIP (Voice over Internet Protocol) 、メインフレーム、サーバーベースのポータルを使って、プロジェクトと時間を追跡するようになります。たとえば、次のような組織が共同作業ツールに早い段階から取り組んできました。
- Wiki (ウィキ): ウィキはユーザーが編集できる Web サイトで、所有者やモデレーターの指定はありません。最初のウィキ サイトは、1994 年にオレゴン州ポートランドでウォード・カニンガム (Ward Cunningham) 氏によって公開された WikiWikiWeb です。それ以来、何千ものウィキ サイトと、それを動かすソフトウェアが使用されるようになりました。最も成功しているのは、読者やユーザーが誰でも更新できるグローバルなナレッジ ベースであるウィキペディアです。
- Microsoft (マイクロソフト): 2001 年、Microsoft (マイクロソフト) は、Office 製品とも統合されたコンテンツ管理およびストレージ システムとして SharePoint を発表しました。このソフトウェアは、サーバーを使って、従業員やプロジェクト メンバーがドキュメント、リソース、期日、メモなどをアップロードし、共有できるようにしました。現在の SharePoint はクラウドベースで、プラットフォームは高度にカスタマイズ可能です。
- Lotus Notes (ロータス ノーツ): 1989 年に Lotus Corporation (ロータス コーポレーション) が開発したワープロ連携ソフトウェアで、1995 年に IBM (アイ・ビー・エム) に買収されました。現在 IBM Notes と呼ばれるこのプラットフォームでは、SharePoint と同様、社内外のコミュニケーション、ドキュメントのファイリングやバージョン管理が可能です。また、企業のニーズに合わせて簡単にカスタマイズできます。
- Google (グーグル): 今日の強力な共同作業スイートの 1 つで、Gmail アカウントの所有者全員に無料で提供され、Google ドキュメント、Google ドライブ、Google スプレッドシートのほか、コミュニケーション ツールの Google+ や Google ハングアウトにアクセスできます。2009 年、Google ドキュメントは Writely と呼ばれる初期の共同作業ツールをベースに広く導入され、あっという間に世界で最も広く使用されている共同作業ツール スイートに追加されました。
中小企業やエンタープライズ レベルの共同作業ツールに影響するこれからのトレンドは、ストレージ、セキュリティ、スピーディなレスポンス実現のためのクラウドの利用拡大です。企業にとって重要なのは、ビジネス ニーズおよび従業員のニーズを特定することです。というのは、どのような共同作業ソリューションでも、生産性を高めるには、そのソリューションに全面的に賛同してもらう必要があるからです。
自分と会社の共同作業のニーズ把握
オンライン共同作業ソフトウェアは、さまざまな場所で作業する従業員を抱えている企業だけでなく、効率と有効性を高めたいと考えているすべてのビジネスに役立ちます。しかし、多くの選択肢がある中で、組織に適した共同作業ツールを選ぶにはどうすればよいのでしょうか?まずは、ビジネス ニーズと共同作業のニーズを検証することが重要です。
共同作業ツールで従業員の能力を高めれば、生産性を向上させ、成果物を予定通りに作成し、ワークフロー全体を改善することができます。使用できるオンライン オプションは業種に関係なく多数存在しますので、必要な機能を備えたソリューションを探してみてください。バーチャル ホワイトボードやインタラクティブなブレインストーミング ツールを必要とするデザイナーやクリエイター向けの製品もあれば、オフィス生産性向上ツールに大きく依存する企業に最適な製品や、デザイナーと企業の経営陣の両方にアピールする機能が健全に混在している製品もあります。すべては、プロジェクトや組織が必要とする機能次第です。インタラクティブなプロトタイプを作成する機能を必要とするチーム、ミニブログやマインドマッピング機能を必要とするチーム、共同作業のためのバーチャル 3D ワールドを必要とするチームなど、チームによって求めるものは違います。
共同作業ツールの利用が増えているのは、以下のような人たちです。
- リモート スタッフ メンバー (自宅や外出先で作業する人、ほかの国やタイム ゾーンにいる人)
- 拡大する「ギグ エコノミー」の請負業者、ベンダー、フリーランサー
- 人事チーム
- プロジェクト マネージャー
- アジャイル チームのマネージャーとメンバー
- 開発者
選択肢は多いに越したことはないのですが、適切な共同作業ツールを選ぶのが大変になります。調査を絞るためにも、オンライン共同作業ソフトウェアをどのように使うか、社内で少しリサーチしてください。まずは、どのようなプロジェクトに使用できるかを見極めましょう。ソフトウェアを使用することになる人に話を聞き、プロジェクトのワークフローやコミュニケーションをどのように処理しているかを確認します。プロジェクトにはどのような手順がありますか?何人がプロジェクトに携わっていますか?部署はいくつありますか?どのようなコンテンツが使用されますか?ディスカッションを 1 か所に保存したい作業者もいれば、計画に添付された特定のファイルにのみコメントできるようにしたい作業者もいるでしょう。
このリサーチを行っている間に、プロジェクト所有者やマネージャーに会って、好みのスタイルやチーム メンバーが現在どのように連携しているかを確認します。どのような方法でコミュニケーションや追跡を行っていますか?プロジェクト ファイルはどこに保存されていますか?それぞれがどのように働きたいと思っているでしょうか?このような情報をもとに、どのような機能を導入するのが最も効果的なのかを検討します。
さらに、会社がよく使用するアプリのリストを作成します。選択したオンライン共同作業ソフトウェアが、現在使用しているものと統合できるかどうかを確認する必要があります。そして何より、選択したプログラムがチームの作業効率化に実際に役立つかどうかを確認してください。
これで会社固有のニーズを踏まえながら、市場の共同作業ツールを評価する準備ができました。検索を行いやすくするために、オンライン共同作業ツールを調査するときに評価すべき 5 つの重要な項目を紹介します。
ヒント 1: すべてのコミュニケーション手段をサポートする共同作業ツールを選ぶ
共同作業ではコミュニケーションがすべてです。選択したソリューションが、自分とチームのコミュニケーション方法に対応していることが重要です。グループ メッセージですべての作業を行えるグループもあれば、電話でプロジェクトの課題を話し合う必要があるグループもあります。会議に参加している人がどのくらい興味を持っているかを確認するために、会議に参加したいと思うチーム メンバーもいるでしょう。
以下のコミュニケーション機能を理解することで、チームに適した共同作業ソフトウェアを選択できます。
統合可能なメッセージング機能を探す
共同作業とは、必ずしも 2 人以上が同時に何か作業を行うということではありません。多くの場合、ドキュメントやファイルが作成され、それをほかのチーム メンバーがレビューする必要があります。このような場合、プロセスを進めるうえでメッセージング機能が非常に役に立ちます。ファイルを閲覧しているユーザーが、ファイルにメッセージを残せなければなりません。個人またはグループでメッセージを共有するオプションも必要です。個別のファイルにメッセージを残す機能のほか、インスタント メッセージ (IM) のサポートもオンライン共同作業ツールに統合する必要があります。IM プログラムが無料のものでも IT 部門が管理しているものでも、IM の送信は職場における一般的かつ効率的なコミュニケーション手段となっています。職場で使用されている IM 方法をサポートしているソリューションや、独自のメッセージング形式を搭載しているソリューションを探しましょう。
個人間コミュニケーションが可能か確認する
共同作業では、2 人だけでコンセプトを作成し、後でそのコンセプトをグループで検討することがよくあります。このようなコミュニケーションが可能なオンライン共同作業ツールを選択してください。2 人が一緒に 1 つのファイルで作業しながら、メッセージング機能 (音声、ビデオ、オンライン チャット) を使ってインタラクティブな会話ができると、生産性が向上します。また、グループ内の全員が会話を聞く必要がない場合もあるため、プライバシーやアクセス権を一人ひとりに設定し、必要に応じて調整できるようにしておくことが重要です。
オンラインと電話の両方で電話会議を実施できることを確認する
GoToMeeting、Skype for Business、WebEx など、オンライン会議オプションは多数ありますが、このようなサービスで補わなければならないオンライン共同作業ソフトウェアではいけません。こうした会議プログラムのオプションが用意されているソリューションを選択してください。また、同時に通話できる人数に制限があるかどうかを確認し (通常は 25 人)、参加者を追加する場合の料金についても問い合わせましょう。会議の参加者はどのように電話をかけますか?コンピューターに別のアプリケーションをインストールする必要があるのか、それとも共同作業ソフトウェアにシームレスに統合されているのでしょうか?作業者は別のアプリケーションを使用する必要がありますか?また、スマートフォンでも使えるかどうかを確認してください。組織によっては、シンプルな構成のまま、オーディオ/電話ブリッジを使用したいと考えるかもしれません。どの方法が自社に最適かを判断し、選択したオンライン共同作業ソフトウェアがその方法をサポートしているかどうかを確認します。
ビデオ チャットをホストするための要件を理解する
Skype や Google ハングアウトを使ってプロジェクトで共同作業を行うことに慣れているワーカーは多数いますが、画面共有の管理や、無料製品の使用に伴う品質の問題への対応を、参加者が行わなければならないことはよくあります。複数の人が通話しながら同じファイルを操作する場合、全員が同時にそのファイルを閲覧し、コメントできると便利です。動画がネットワークに負担をかける可能性があることを忘れないでください。この機能が重要な場合は、このソリューションを使用する会社とリモート ワーカーのネットワークに、動画を効果的に処理できるだけの帯域幅があることを確認してください。
プロジェクトの会話を 1 つの場所に保存する
オンライン共同作業ソフトウェアの最新トレンドの 1 つは、プロジェクトに関するすべての会話が 1 か所に保存されることです。これは、ビジネス向けの掲示板や Facebook のようなものですが、広告はありません。イベントに人を招待して、そこで全員が特定のメッセージに対してコメントや補足説明を残すのではなく、チーム メンバーが特定のプロジェクトに対して、同様のメッセージング センターを持つことができます。
ヒント 2: 簡単で直感的なオンライン共同作業 ツールを選択して導入を促す
職場に新しいツールを導入するメリットはたくさんあります。たとえば、生産性が向上し、従業員がよりスマートに働けるようになります。共同作業ツールであれば、コミュニケーションが円滑になり、チーム メンバーが個人的な関係を築きやすくなります。しかし、オンライン共同作業ソフトウェアとなると、ツールを追加するのが、必ずしも良いこととは限りません。全員が同じプログラムを使用することが非常に重要です。これにより複数のツールをサポートしたり、全員が異なるツールを使用することに伴う複雑さに対処したりする必要がなくなります。
新しいツールを職場に導入するには、使いやすさが重要です。皆忙しいので、新しいツールを一から覚える時間はそれほどありません。新しいツールが複雑で使いにくいものであった場合、人々は使うのを諦めてしまい、それこそ実のない努力になってしまいます。でも、新しいオンライン共同作業ソフトウェアのインターフェイスが慣れ親しんできたもので、すぐに覚えられて、しかも使いやすければ、導入はうまくいくでしょう。そして忘れてはならないのは、必ずしも選択するツールに大きな初期費用をかける必要はないということです。シンプルなツールが最適である場合もあります。
シンプルで直感的なインターフェイスの製品を選ぶ
直感的に操作できる、つまりシンプルで使い慣れたインターフェイスを持つソリューションを選んでください。複雑すぎず、シンプルすぎず、各自の仕事のやり方に合ったものである必要があります。たとえば、ダッシュボード機能が搭載されたプラットフォームを選択すると、デザインやドキュメントをドラッグ アンド ドロップでレビューしたり、プロジェクトのステータスやメトリックを 1 つの情報ハブで一目で把握したりすることができます。さらに、ソリューションを現在使用しているほかのプログラムや手法と統合してサポートする必要もあります。使いにくいプログラムが、組織で採用されることはないでしょう。
ワークフロー管理機能が搭載されたソフトウェアを選ぶ
仕事での共同作業は、コメントを残して終わりではありません。ワークフローにも関わってきます。そのため、オンライン共同作業ソフトウェアには、ワークフローの自動化を支援する機能が必要です。ファイルやドキュメントの場所や、誰がいつ変更したかを追跡し、タスク管理機能によってプロセスの進行を支援できなければなりません。
ブレインストーミングのためのデジタル ワークスペースがある製品を探す
ブレインストーミングをうまく行うことができれば、良いアイデアがたくさん生まれます。自宅や世界中のオフィスで人が働いている今日の職場環境では、全員がホワイトボードの前に集まることは困難ですが、ありがたいことに、オンライン共同作業ツールがあります。適切なものを使えば、バーチャル ホワイトボードに全員を集めることができます。結局のところ、共同作業で重要なのは場所ではなく、人なのです。
どのようなモバイル サポートが可能かを調べる
スマートフォン、タブレット、至る所にある Wi-Fi のおかげで、コンピューターから離れても仕事を中断せずに済みます。外出先からモバイル デバイスでプロジェクトをチェックしたいと考えるワーカーは少なくありません。したがって、どのようなモバイル サポートが可能かを検討してください。Windows Phone、Apple iOS、Android デバイスに対応している、またはそれらのモバイル アプリがあるかだけでなく、制限があるかどうかも確認しましょう。たとえば、チーム メンバーがモバイル アプリから行えるのは、ドキュメントの変更の確認だけですか?それとも、コメントを追加できますか?
複数のプラットフォームで動作することを確認する
職場に複数のコンピューター プラットフォームが存在することはよくあります。デザイナーは Mac で作業し、ビジネス チームは Windows を使っているかもしれません。また、オフィス以外の場所で作業する従業員 (フルタイムまたは通常の勤務時間外) については、自宅と職場でまったく異なるプラットフォームを使用している可能性があります。選択するオンライン共同作業ソフトウェアは、Mac、Windows、Linux (環境に含まれる場合) など、すべてのプラットフォームでシームレスに動作する必要があり、最初から複数のオペレーティング システム (OS) に対応するソリューションは、拡張性があり、今後の OS アップデートにも対応できる可能性があります。
ヒント 3: プロジェクトを円滑に進めるためのスケジューリング機能を備える
プロジェクトを成功させるには、スケジューリングが非常に重要です。これは納期を守るだけでなく、チーム メンバーの作業管理にも役立ちます。共同作業とは多くの場合、ファイルを確認し、リアル タイムで変更したり、コメントを追加したりすることなのですが、成果物に対する説明責任を果たすという意味合いもあります。ワーカーが自分のタスクのステータスを自分で更新できると、プロジェクト マネージャーの時間節約につながり、プロジェクトの状態を全員が把握している状態になります。これらすべてがクラウド上にリアルタイムで存在すれば、全員が同じ認識を持つことになります。
タスク リストを作成できることを確認する
プロジェクトの不確定要素をすべて監視するには、タスク リストを作成する機能が搭載されたオンライン共同作業ソフトウェアを選択します。タスク リストを作成する際は、ただ長々とした To-Do リストを作成するのではなく、最初にプロジェクトの成果物を分析したうえで、各項目にタスクの所有者を割り当てます。オンライン共同作業ツールでは、タスクを個人に割り当て、期日やサブタスクを設定し、特定のタスクにファイルを添付できる必要があります。
複数のタスクのスケジュールと追跡の管理方法を確認する
プロジェクトには通常、複数の不確定要素と多くの依存関係があります。そのため、スケジューリングが重要です。締め切りやタスクをカレンダーに追加するのは 1 つ重要なことですが、それを追跡し自動化する機能も、ワーカーが締め切りを守るのに役立ちます。タスクやプロジェクト マイルストーンのステータスを監視し、締め切りが近づいたときや予定より遅れている場合に、自動リマインダーやアラートがチーム メンバーに送信されるオンライン共同作業ソフトウェアを選択してください。
ガント チャート対応かどうかを判断する
プロジェクト マネージャーにとって、ガント チャートは一過性の小さな問題となる可能性のあるものを特定し、それに応じて計画できるようにする視覚的なロードマップです。ガント チャートでは、タスクが正しい順序で完了しているか、締め切りが守られているか、適切な依存関係があるか、予定より遅れているものがないかを一目で確認できます。ガント チャートの作成に使用するツールによっては、アラートとリマインダーを特定のチーム メンバーに送信することもできます。共同作業について言えば、ガント チャートは、特定のドキュメントのステータスや、ワークフロー プロセスのどこにいるかを確認するうえで便利です。オンライン共同作業ソフトウェアとガント チャートは同義ではありませんが、少なくともプロジェクトのガント チャートを表示することで、チーム メンバーは作業のステータスを常に把握できます。
カレンダー アプリとの統合を確認する
タスクが割り当てられ、マイルストーンと締め切りが設定されたら、その情報を表示する最も簡単な方法の 1 つがカレンダーです。今ある便利なものを使わない手はありません。ワーカーがすでに慣れている標準的なカレンダー ビューが使用されているソリューションを探してください。また、チーム メンバーに割り当てられたタスクを、それぞれのカレンダーに表示できるようにしましょう。多くのプログラムでは Google、Outlook、iCal などの既存のカレンダー アプリが統合され、予定や会議などが自動的に追加されます。
ヒント 4: 動的なファイル共有ソリューションを選択する
オンライン共同作業ソフトウェアで重要なのは、1 つのファイルに対して複数の人が作業することではありません。複数の種類のファイルを含むプロジェクトに 1 つのチームで取り組むことです。プロジェクトの範囲によっては、Excel、Word、PNG、JPG (画像)、Power Point、Project ファイルなど、さまざまな種類のファイルが含まれる可能性があります。すべてのプロジェクト ファイルを保存できるオンライン リポジトリがあり、チーム メンバーがアクセスおよび編集できることが不可欠です。
製品のセキュリティ機能が IT 要件に対応していることを証明する
社内外のワーカーがファイルを利用できるようにする場合は、セキュリティが非常に重要です。少なくとも会社の IT 部門が規定するセキュリティ要件に対応するソリューションを選択してください。さらに、(特定の情報を閲覧したりファイルを変更したりするための) アクセス レベルをユーザーごとに管理する必要がある場合は、役割を管理するためのオプションを探します。そうすることで、権限レベルを簡単に割り当てることができます。
よく使用するファイルの種類にソリューションが対応することを確認する
オンライン共同作業ツールは、プロジェクト内のすべてのファイルのリポジトリとしての役割も果たします。したがって、使用するすべてのファイルの種類がサポートされていることを確認してください。さまざまなプロジェクトで使用される可能性のあるファイル形式のリストを作成し、機能を調査する際に参照できます。
個別のファイルにフィードバックを添付できることを確認する
添付されたファイルに変更やコメントを直接追加するのではなく、ファイルの内容に関するディスカッションを開始し、そのコメントをファイルに関連付けたい場合があります。この機能が共同作業ソフトウェアの中心となります。そのため、ユーザーがフォルダーやファイルにコメントを投稿したりメッセージを残したりできるソリューションを探してください。事実上すべてのデバイス (スマートフォン、タブレット、デスクトップ コンピューター) でチーム メンバーがコメントできなければなりません。できれば、どのファイルがディスカッションをよく生み出しているかについて、レポートを生成できるツールを探してみてください。
会社で使用されているアプリとシームレスに統合できるツールを選択する
新しいツールをオフィスに導入する場合、そのツールが、すでに組織に展開されているほかのアプリケーションやプログラムとうまく連携すること、あるいは深く統合できることが重要です。ワーカーがこれまで使っていたツールの多くを新しい製品と一緒に引き続き使用できると、導入率が高くなるでしょう。会社で使用されているアプリの一覧を作成してください。たとえば、クラウド ストレージ (Box、DropBox、Google ドライブなど) や Google Apps などの生産性向上プログラムが使用されている場合、新しい共同作業ツールでも、そうしたプログラムを使用できるようにする必要があります。
ヒント 5: リアルタイムの共同作業が可能な製品を選ぶ
オンライン共同作業ツールを使ってプロジェクトを完了させるメリットは多数あります。たとえば、チーム メンバーがプロジェクトファイルの編集、フィードバックの提供、コメントの追加、チャットをすべてリアルタイムで行うことができます。その際、バージョン管理のためにファイルを「チェックアウト」または「チェックイン」したり、追跡したりする必要が一切ありません。いつ誰が作業していても、作業対象のファイルを常に 1 つの最新バージョンに維持できます。この方法により、多くの時間を節約し、プロジェクトを迅速に進めることができますが、変更が共同作業ソフトウェアによって適切に管理および追跡されていない場合は、課題がいくつか生じることもあります。オンライン共同作業ツールを評価する際は、バージョン管理およびファイル保護に関する以下のような重要な機能について確認してください。
共同作業者を追加できるかどうかを確認する
オンライン共同作業ツールを探す際、会社の規模に関わらず、製品に関してまず確認する必要があるのは、それを使用できる共同作業者の数に制限があるかどうかです。また、同時に共同作業できる人数に制限があるかどうかの確認も必要です。プロジェクトでの共同作業は、社内だけで行われるものではありません。パートナー、ベンダー、顧客など、社外の多くのプロジェクト関係者やチーム メンバーが、プロジェクト計画にアクセスしたり、入力したりする必要があります。こうしたユーザーに対して何らかの制限があるかどうかを把握することは重要です。たとえば、組織に属さない人がファイルを変更する場合、その人のツール使用料をこちらで払うのかどうかを確認します。また、その人が閲覧および編集できる内容を、こちらで管理できるかどうかも確かめてください。選択するオンライン共同作業ソフトウェアは、すべてのユーザーがどこにいても利用できなければなりません。
複数の担当者による変更の追跡方法を確認する
本来の共同作業では、複数の人が同時に同じプロジェクト計画またはファイルに対して作業を行います。この場合、2 人の作業者が同じセクションを編集していることがあります。インテリジェントな共同作業ツールでは、2 人が同時に編集していても、それぞれがお互いにどこを編集しているかがわかります。チーム メンバーがオフラインでファイルを操作する場合はどうでしょうか?オンライン環境に戻ったとき、ファイルにはオフラインで誰がどのような変更を行ったかが表示され、自動同期によって最新バージョンに更新されます。
変更を上書きできるユーザーの種類を特定する
複数の人がプロジェクト計画やファイルで作業していると、さまざまなことが起こり得ます。必ずしもプロジェクト所有者がすべての変更に同意するとは限りません。変更を拒否したり、以前のバージョンに戻したりしたいと思うこともあるでしょう。3 番目のバージョンのファイルから削除されたセクションを追加したい、とプロジェクト マネージャーが考える場合もあります。そのバージョンを見つけて、セクションをドキュメントに戻す作業はそれほど複雑ではありません。変更を上書きする場合は、ロック機能によって、最終バージョンが必ず最終版になるようにします。
組織に適したオンライン共同作業ツールを選ぶ際に、何をどのように調査し、確認すればよいかはわかりました。次に、どの機能が最も重要かを決めます。このリストは 1 人で作成しないでください。結局のところ、オンライン共同作業ソフトウェアの目的は人が一緒に作業するのを支援することです。そのため、ほかの人たちにも決定に加わってもらい、作業工程や、何があればほかの人と作業しやすいか、現在使用しているアプリやファイルの種類について尋ねてみましょう。このリストができたら、その機能を重要な順にランク付けします。これによりニーズに優先順位を付けることができ、調査の際に役立ちます。
Smartsheet の作業管理で共同作業を改善する
ニーズに合わせ変化に対応できるようデザインされた、柔軟性のあるプラットフォームで、チームの能力を最大限に引き出しましょう。 Smartsheet プラットフォームなら、いつでもどこでも簡単に作業の計画、保存、管理、およびレポート作成が可能なため、チームはより効率的かつ効果的に仕事を進めることができるようになります。作業に関して主要なメトリックを表示したり、リアルタイムの可視性を提供したりするために、ロールアップ レポート、ダッシュボード、および自動化されたワークフローを作成する機能も装備されており、チーム メンバーをつないで情報共有を促進することが可能です。 やるべきことを明確にすると、チームの生産性と作業達成能力が向上します。ぜひこの機会に Smartsheet を無料でお試しください。