鴻池運輸はSmartsheet で「クラウドファースト」戦略を推進し、大規模な管理システムの移行に成功

鴻池運輸のICT推進本部は Smartsheet で、データの可視化とリアルタイムでの共有を実現。約60拠点の倉庫管理/WMSシステムを4か月でクラウド化するという困難なプロジェクトを見事に成功させました。

平均読了時間: 5 min
6060拠点

の倉庫管理/WMSシステム移行プロジェクトを、Smartsheetによる情報の可視化と共有で実現

44か月

Smartsheetの活用により、通常は1年以上かかると想定されるシステム移行作業を4か月で終了

200200

のシートに及ぶ詳細な情報を、Smartsheet で一元管理することに成功

業界

  • 専門サービス

組織/団体規模

  • エンタープライズ (従業員 10,000 人以上)

地域

  • アジア太平洋 (APJ)
sato

「大規模なシステム移行プロジェクトを成功に導くことができたのは、Smartsheetを活用して緻密な管理ができたからだと言っても過言ではないと思います。」

佐藤 雅哉 様

ICT推進本部 副本部長

鴻池運輸株式会社(以下、鴻池運輸)は物流サービスと、鉄鋼や食品、生活、メディカル、空港に至るまで多岐にわたる分野の請負サービスを軸に事業を展開。年間総売上げは3,118億円を誇ります(2023年3月期)。国内外に200以上の事業拠点を有する同社は、まさにグローバルな経済活動を支える大動脈であり、社会課題の解決と革新に挑戦し続けるプロフェッショナル集団としても広く知られてきました。 

そんな同社は2018年にDXに着手。外部から新たなIT部門の責任者を招聘してICT推進本部を設立し、業務システムのクラウド化などによる効率化を目指した「クラウドファースㇳ」戦略を推進していきます。その一環として導入されたツールが Smartsheetでした。改革が始まった2018年に鴻池運輸に入社し、ICT推進本部 デジタルトランスフォーメーション推進部 部長の重責を担ってきた佐藤氏は、導入の背景を次のように振り返ります。

「改革を進めていく過程では複数のプロジェクトが立ち上がりましたが、社内のメンバーはExcel上でWBSとガントチャートを作り、ファイルのバージョン管理をしながらメールでやり取りをしていました。この方法にはファイルが大量に増えてしまう、プロジェクトの全体的な状況がすぐに把握できない、最新の情報をスムーズにシェアできないなどの問題がありました。Smartsheetなら、情報を可視化しながらWeb上で共有し、プロジェクトを効率よく管理していくことができます。私は前職でもSmartsheet を使っており、その便利さや機能性の高さを知っていたことから導入を決め、ICTのメンバーに利用を促していきました。Smartsheetを導入する際には、スピードを重視し、他の製品と比較検討することはしませんでした。」

block4-img

約60拠点の管理システムを4か月でクラウド化

Smartsheetの本格利用は、倉庫管理/WMSシステムの移行プロジェクトに始まりました。従来、同社は約60拠点の倉庫において、オンプレミスの倉庫管理/WMSシステムを使用していましたが、この倉庫管理/WMSシステムをAWSでクラウド化することを決断。この過程で非常に大きな役割を果たしたのがSmartsheetでした。

「移行プロジェクトは9つのチームに割り振られ、かなり多くのメンバーが携わりました。各拠点にはそれぞれ特徴がありますので、拠点の事情に精通したメンバーがプロジェクトを管轄しました。しかしクラウド化を成功させるためには横方向にも情報を連携し、チーム全体として現状や進捗状況、今後の予定を把握していくことが不可欠になります。その点で、Smartsheetですべての情報を可視化できたのは大きかったですね。システム移行の際には、合計200枚ものシートをSmartsheetに集約しましたが、プロジェクトに関わったメンバーはSmartsheetの使い勝手の良さの恩恵を受けました。」

このシステム移行作業は4か月という期限が定められていただけでなく、倉庫が稼働しない休日の夜間に実施しなければならないという制約も課せられていました。

「我が社は物流の根幹を担っていますから、日々の業務は絶対止めるわけにはいきません。一度そのようなことが起きれば、社会のあらゆる分野で、また、一般の方々にまで影響が及び、混乱が生じてしまいます。普通なら1年以上かかると想定されるようなプロジェクトを4か月で完了させるというのも、かなり厳しい条件でした。これらの2つのハードルをクリアして、大規模なシステム移行プロジェクトを成功に導くことができたのは、Smartsheetで緻密な管理ができたからだと言っても過言ではないと思います。」

block4-img_1

DXの推進や社内の意識改革を図る最適なツール

佐藤氏はSmartsheet の特徴として情報の可視化と共有以外に、Web上に実用的なテンプレートが豊富に揃っており、日付などのデータを入力するだけでプロジェクト管理がすぐに開始できること、質問や回答、あるいは情報の収集ができるフォーム機能が簡単に利用できること、Slackなどの外部ツールと連携しやすいことなども挙げています。また、実際の改革業務を通じて、Smartsheetのさらなる魅力を実感したと語ります。

「たしかにプロジェクト管理ツールは他にもありますが、かつての弊社にはExcelしか使ったことがない、あるいはプロジェクト管理という発想すらないような社員が少なからずいました。いかに高機能でも、 そのような状況の中で使いにくいツールを導入すれば、現場は混乱してしまいます。これに対してSmartsheetはExcelにインターフェースが似ていながら、Excelよりもはるかに使いやすく、しかもさまざまなことができます。ITリテラシーが高くない社員も抵抗感なく使えますので、DXにおける移行段階のツールとしては最適だと思います。」 

「関連して指摘できるのは、社内の意識改革をもたらす点です。たとえば『クラウドファースト』という指針を掲げた際には、戦略や言葉自体は理解できても、実際に何が起きるのか、どのように改革を進めていけばいいかがあまり把握できていない社員もいました。しかしSmartsheetを活用しながら重要なプロジェクトを実施することによって、多くの従業員がDXというものを理解し、組織全体として業務改革に意欲的に取り組めるようになりました。この意味においても、Smartsheetの導入は大きな成果になったと感じています。」

現在、ICT部署には30名が所属。Smartsheetの活用法についても新たなアイデアを出しながら、DXの推進に取り組み続けています。最後に佐藤氏は、今後の抱負を次のように述べました。    

「Smartsheetは『クラウドファースト』戦略において初期に導入されたソリューションでしたが、さまざまなデータを可視化してリアルタイムに共有し、業務の効率化を図っていくうえで、相当に大きな効果をもたらしたと思います。Smartsheet は多くの領域でさらに活用することができますので、今後も社内の他部署や他の業務などにも積極的に利用を促していければと考えています。」

img_special2