Foxtel Group (フォックステル グループ) はブランドを単一の構造に統合し、可視性と意思決定を改善

Foxtel Group はそれぞれ独自の文化を持つ複数の事業を統合し、複雑な業務を簡素化する必要がありました。Smartsheet の導入により、ポートフォリオレベルの可視性が得られ、情報に基づいた意思決定が可能になり、チーム間の連携が強化され士気が高まりました。

平均読了時間: 7 min
450450

万人の加入者

88

週間で導入と受け入れを完了

4040

種類の異なるプロジェクト管理ツールを一元化

業界

  • メディアおよび制作

組織/団体規模

  • 大企業 (2,000 人~ 9,999 人)

地域

  • アジア太平洋 (APJ)
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「データを共有する手段が変わったことで、チーム内のエンゲージメントが確実に向上しました。退屈なレポートではなく、リアルタイムの製品ロードマップに基づいて業務に取り組むことができます。これにより会社全体の連携が大幅に強化され、業務の進め方も変わりました。」

Mike Nicholls 氏

Foxtel Group、ポートフォリオ管理担当グループ ディレクター

オーストラリアで良質の映画やニュース番組を楽しみたいなら、Foxtel Group です。Foxtel や各種ストリーミング ブランド (KayoBingeFlash など) では、ライブ放送チャンネルからオンデマンド ライブラリまで、ニュース報道からスポーツ中継まで取り揃えています。加入者数 450 万人を誇る同社は、オーストラリア最大のメディア企業の 1 つです。

異なる事業、異なる文化

しかし、Foxtel Group は必ずしも調和のとれた単一の事業体として機能していたわけではありませんでした。数年前までは、Foxtel (フォックステル)Streamotion (ストリームモーション) (KayoBingeFlash などのストリーミング サービス)、Foxtel Media (フォックステル メディア) など、いくつかの独立した事業体として別々に運営されていました。同社はこれらのブランドを 1 つのグループに統合することを決定したものの、各ブランドの業務の統一という課題に直面しました。「独自の文化が確立されている事業体もあれば、変動要素の多い制作現場で臨機応変な対応が必要な事業体もありました」と、Foxtel Group でポートフォリオ管理担当グループ ディレクターを務める Mike Nicholls 氏は説明します。「業務の進め方も手法も各事業体で全く違っていたため、業務の統合はかなり難易度が高く、多数の変更を管理する必要がありました」。各事業の管理体制にも大きな差があり、プロジェクト別に資金を調達する事業体もあれば、進行中の製品ロードマップに基づいて資金を調達する事業体もある、といった状態でした。その結果、報告の形式にも大きな違いが生じていました。

プロジェクトを管理するためのソフトウェアも事業体により異なっていました。「ある時点では、組織全体で 30 ~ 40 種類のツールがプロジェクト管理やポートフォリオ管理で使用されていました。そのため、情報を収集することも、進捗状況を追跡することも困難でした。報告体制も機能せず、多くの重複ややり直しが発生していました」と Nicholls 氏は付け加えます。

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Business under the Foxtel Group

メディア制作の複雑性

あげくに、プロジェクトはそれぞれ非常に込み入っていました。そのため、Foxtel Group は各プロセスを可能な限り簡素化する必要がありました。「テレビ番組の制作と放送の事業は、技術面でもロジスティクス面でも負担が非常に大きいです」と Nicholls 氏は語ります。 

「考えてみてください。週末は 45 ものスポーツ イベントが開催され、スタッフの移動量はかなりのものになります。ロジスティクス、接続性、ネットワークに関して、かなりの業務が発生します」。

各事業内にもさまざまな部門や外部の関係者が存在し、密接に連携する必要がありました。Nicholls 氏は続けます。「Foxtel Group にはマーケティング チーム、製品チーム、請求チーム、顧客サポート チーム、インフラストラクチャ管理チームなど、さまざまなチームがあります。また、パートナー、サプライヤー、拠点も多く、その調整も必要です。これにより、社内外のチームで多くの依存関係が生じます」。

そのため、Foxtel Group は各事業とチームを統合するにあたり、適切なソリューションの選択を慎重に進める必要がありました。「包括的なポートフォリオ管理が必要でしたが、Smartsheet のテンプレート化された自動化ソリューションにより、作業の受け入れ、資金の承認、プロジェクト デリバリーの追跡が容易になりました」と Nicholls 氏は振り返ります。また、Smartsheet を使用することで、Foxtel Group はあらゆる承認、監査、変更を適切に追跡できるようになりました。もう 1 つの重要な必須条件が、コミュニケーション、レポート作成、関係者エンゲージメントなどの機能をシームレスに使えるようにすることでした。「Smartsheet の最大のメリットの 1 つは、事業の関係者や多数のプロジェクト デリバリー チームにとって非常に使いやすいダッシュボードを作成できるという点です。これにより、経営陣、プロジェクト マネージャー、技術者が、作業のさまざまな要素をリアルタイムで簡単に追跡できるようになります」と Nicholls 氏は言います。

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頼りになる、期待に応えるパートナー

Foxtel Group は、プロセスとポートフォリオを統合するソリューションとして Smartsheet を選択し、導入計画を開始しました。同社は Smartsheet チームに支援を求めました。「わずか 8 週間で運用を開始する必要がありました。無茶な依頼とはわかっていましたが、Smartsheet チームに相談してみたのです。Smartsheet チームは覚悟を決めたように深く息を吸うと、依頼を受けてくれました。そして素晴らしいことに、その通り実行してくれたのです」と Nicholls 氏は語ります。Foxtel Group はスプリントを何度か繰り返し、中核となるシートと構造を開発しました。 

「すべてを最初から正しく設定することが肝心でした。Smartsheet のスタッフは協力的で共同作業も進めやすく、この取り組みは大きな成功をおさめました。Smartsheet チームと緊密に連携してソリューションを共同作成すれば、ビジネスに最適なアプローチを決定することができます」。

その後すぐに、Foxtel Group ではプロジェクトやポートフォリオの管理で Smartsheet が活用され始めました。事業部門やポートフォリオ別のスペースが設けられ、各グループがプログラムを効果的に管理できるようになりました。たとえば、マーケティング チームは 1 つのプロジェクトで共同作業を行い、ストリーミング事業チームはストリーミング サービスごとに複数のプログラムを利用する、といった使い方が可能です。「各ポートフォリオの専用ダッシュボードをクリックすると、各プロジェクトの詳細を確認できます。また、リソース管理、財務に関する承認、投資の追跡などのガバナンスに関わる側面もポートフォリオに一元化することができます」と Nicholls 氏は語ります。テクノロジー チームはこれまで通りプロジェクト管理ソフトウェアの Jira でプロジェクトを管理していますが、各タスクは Smartsheet に反映されるため、プロジェクトの開始から完了まで、概要も詳細も表示できます。

スーパー ユーザーの起用

会社全体での導入をサポートするために、Foxtel Group は変更を管理する取り組みを開始し、組織全体の統一された作業方法を定めました。また、Smartsheet を知り尽くし、各チームへの Smartsheet の導入を手助けする「スーパー ユーザー」というポジションを新設し、各事業部門の主要ユーザーに対してトレーニングを行いました。「スーパー ユーザーにはプラットフォームの使用方法を決定できる権限を与えました。とはいえ、四半期ごとのビジネス レビューや価値ベースの追跡といった弊社の中心的な手法にはこれまで通り従ってもらっています」と Nicholls 氏は付け加えます。また、社員がソリューションの効果的な使用方法を習得できるように、幅広いトレーニングの機会も設けました。

Foxtel Group 全社で、Smartsheet という新しいツールの受け入れを問題なく進めることができたのです。「Smartsheet は素晴らしいソリューションだと誰もが思いました。社員はすぐに独自のビューを作成したり、設定をカスタマイズしたりし始めました。全体として、Smartsheet は以前のシステムよりもはるかに使い勝手が良いです」と Nicholls 氏は言及します。

柔軟で魅力的なプラットフォーム

Nicholls 氏の評価する Smartsheet の最大のメリットの 1 つが、柔軟性があるという点です。Smartsheet のビューとダッシュボードは、適切なチームや外部ユーザーと簡単に共有できます。また、チームのスタンドアップ ミーティング、四半期ごとのポートフォリオのレビュー、運営委員会など、さまざまな用途に合わせてカスタマイズすることもできます。「さらに素晴らしいのは、Smartsheet の設定は簡単に変更できるという点です。たとえば、放送チームの分割や新しい部門の設立を決定したとしても、Smartsheet ならポートフォリオ構造の調整も簡単です」と Nicholls 氏は語ります。

Nicholls 氏によると、Smartsheet での情報提供で説得力も増します。「データを共有する手段が変わったことで、チーム内のエンゲージメントが確実に向上しました」と Nicholls 氏は説明します。 

「退屈なレポートではなく、リアルタイムの製品ロードマップに基づいて業務に取り組むことができます。あらゆる情報が関連付けられており、リアルタイムで更新され、共有できる体制が整っています。特定の対象者向けに情報の表示形式を作り替える必要はもうありません。いつでもすべてを魅力的な方法で提示することができます。これにより会社全体の連携が大幅に強化され、業務の進め方も変わりました」。

意思決定における明確性の向上

情報を一元化し、適切に構造化し、アクセス可能にした結果、組織全体がポートフォリオを俯瞰できるようになりました。「業務の進捗状況を、経営陣も完全に見通せるようになりました」と Nicholls 氏は言います。「情報の一元化のメリットを、社員全員が認識できています。たとえば、財務チームでは進行中のあらゆる投資案件の詳細を以前よりも明確に把握できるようになりました」。このような可視性が得られた結果、各チームが独自の価値を発揮する機会も生まれました。

透明性が向上したことで、Foxtel Group ではデータに基づいた意思決定を下すことも可能になりました。「Smartsheet は確実に意思決定を促進します」と Nicholls 氏は語ります。事業部内で文書を回覧するのではなく、全員が必要な情報をすべて把握した上で四半期ごとの定例会議に出席します。Nicholls 氏はさらに付け加えます。「これにより、今後の重点項目である優先順位付けとリソース計画の効果をさらに向上させることができます」。

信念ある一枚岩のチーム

Foxtel Group は、チームを 1 つにまとめるという究極の目標を達成しました。 

「Smartsheet のおかげで、マーケティング チーム、プロジェクト チーム、製品チームなど、さまざまなチーム間のエンゲージメントが向上しました」と Nicholls 氏は付け加えます。「これにより、意思決定がさらに促進されます。また、チームが団結している様子を見ると非常にやりがいを感じます」。

Foxtel Group は今後も引き続き自動化に力を入れ、改善の余地の把握に努めていく予定です。「開始から 1 年。取り組みは始まったばかりです。やるべきことはまだたくさんありますが、順調に成果を上げています」と Nicholls 氏は締めくくります。「Smartsheet は本当に意味のある変化をもたらしてくれました。今後も引き続き進化し順応していけることを嬉しく思います」。