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新しいソフトウェアを導入するように上司を説得する方法

by Staff Writer

これを言うのは心苦しいのですが、新しく見つけたソフトウェアについて心が踊っているのは、今のところあなたひとりです。

そのソフトウェアは、必要な機能をすべて備えています。

日常業務の負担を大きく軽減してくれます。

しかし、あなたの上司は、今のところまったく関心がありません。

あなたは慎重に考慮して、企業のプロセスを改善するための完璧なソリューションを見つけるためにすべてのオプションを検証しました。しかし、そのメリットを全員が享受できるようになる前に、上司を (もしかしたら上司の上司も) 納得させる必要があります。

どうすれば納得してもらえるでしょうか?ミーティングを設定したら、どのように強固なビジネス ケースを作成して、新しいソフトウェアを導入するように上司を説得しますか?

メリットを強調する

新しいソフトウェアのビジネス ケースを作成するには、最初にそれを使用するメリットを説明します。

2 つの種類のメリットを取り上げる

明白なメリットは、予算、投資、ROI などです。たとえば、予算どおりか予算内に収まるプロジェクトが 4 つに 1 つの場合、その数字を向上してより多くのプロジェクトを予算内に収めた場合のコストの削減額を計算できます。賢いリーダーであれば、最終損益が向上することを示す数字を無視することはできません。

明白でないメリットは、たとえば従業員の体験やカスタマー サービスなどを指し、目に見えづらいメリットです。直接的に関係していなくても、ソフトウェアを使用した結果これらのメリットがあると考えてもらえる可能性があります。

たとえば、企業がタイムシートのコンプライアンスの問題に直面している場合、ソフトウェア自体はその課題を直接解決することはできません。しかし、毎日勤務時間を追跡することにどれだけ時間とエネルギーがかかり、フラストレーションがたまるか、そして新しいソフトウェアがそれをいかに軽減してくれるかを上司に理解してもらうことはできます。勤務時間の追跡方法を改善すればプロセスが容易になり、フラストレーションが減り、従業員の満足度が向上します。

しかし、少し待ってください。まだやることがあります。あなたの調査力と計算力のおかげで上司はメリットを理解したかもしれませんが、新しいソフトウェアを導入することは、企業の確立済みのワークフローを大きく妨げることになります。

変更にその価値があることを関係者に心から納得してもらうためには、象を動かす必要があります。

象を動かす

人間は本能的に変化を嫌います。時間を費やすに値すると納得してもらえない限り、働き方を変えたり、新しい何かを学ぶことを強制されたりするのは嫌がるはずです。

変化がそれほど難しいのは、人間の心の理性的な面と感情的な面が常に支配権を巡って争っているためです。変化するように他者を納得させるには、この争いを鎮めて、両方の側面を同じ方向に向かって動かすしかありません。

バージニア大学の心理学者であるジョナサン・ハイト (Jonathon Haidt) 氏は、この争いを理解するために乗り手と象のメタファーを使っています。チップ・ハース (Chip Heath) 氏とダン・ハース (Dan Heath) 氏は、著書『Switch (邦題: スイッチ! - 「変われない」を変える方法)』で以下のように説明しています。

「ハイト (Haidt) 氏は、私たちの感情的な面が象であり、理性的な面が乗り手であるとしています。象の上に座って手綱を取る乗り手は、支配権を握っているように見えます。しかし、乗り手による制御は絶対ではありません。象に比べて乗り手はあまりにも小さいためです。体重 6 トンの象と乗り手が別の方向に行きたがった場合、乗り手が負けるのは当然です。まったく相手にもなりません。」

あなたの提案は表面的には新しいソフトウェアについてですが、より深いところでは、あなたは従業員の働き方を変えるように上司に訴えているのです。ソフトウェアを最大限に活用するためには、チームの全員が新しい行動を身につける必要があります。

問題は、今後何が起こるかを予測できず、変化のプロセスが不明瞭な場合、彼らの象は怖がってしまいます。動いてくれなくなってしまうのです。乗り手がどれだけ促しても、分析的な議論では彼らの心を変えることはできません。

そこで、象を動かすには、上司が何かを「感じる」ようにエビデンスを提示する方法を考えてください。

スパム フィルターを通過する

おそらく、この提案を持って上司に近づくとき、上司は他にもいくつものことを検討中のはずです。1 時間以内にリーダーシップのミーティングが控えているかもしれません。先月の売り上げが落ちたため、改善策を考えているかもしれません。

新しいソフトウェアを提案する際は、それを検討するべき説得力のある理由を提示する必要があります。さもなければ、それらの他の考えに紛れてしまい、注意を払われることはありません。あなたが部屋を出た途端に上司は会話の内容を忘れてしまうでしょう。

上司の脳内の「スパム フィルター」(キャシー・シエラ (Kathy Sierra) の言葉です) を通過するには、提案で達成するべきことが 3 つあります。

  • シンプルに伝える。フィルターを通過するには、脳に不必要な、または重要でない情報を与えてはいけません。すぐに言いたいことの核心に切り込み、枝葉末節は無視してください。
  • 気分を高める。深い感情に触れることができれば、人は応えてくれます。数字に頼るのではなく、イメージできるように説明してください。解決しようとしている問題に関するストーリーを話してください。あなたの言葉の重みを感じられるようにしてください。
  • 説得力を持たせる。見かけ倒しのグラフや図では、行動を起こすように上司を説得することはできません。座って話を聞くころには、否定的とまではいかずとも懐疑的になっているはずです。上司の注意を引きつけるためには、行動を起こすべき重大で説得力のある理由を伝える必要があります。

問題の核心に迫るまで「なぜ?」と自分に尋ね続けることで、新しいソフトウェアを提案する最も説得力のある理由を特定でき、象を動かすことが可能になります。

以下の会話文で例を示します。

An image of conversation bubbles showing an example dialogue

結局のところ、上司が求めているのは、このまったく新しいソフトウェアに投資することで得られる利益です。彼らは、ソフトウェアが会社にとってどのように役立つか、それによって何が変わるか、そしてその変化に資金を投入する価値があるかどうかを把握する必要があるのです。

あなたの仕事は、上司にメリットを把握してもらい、象を動かし、この新しいソフトウェアが会社を成功に導くことを理解して (そして納得して) もらうことです。うまくいけば強力な味方をつけることができ、両者とも前に進む決断に満足して別れることができるでしょう。