プロジェクトの開始

By Diana Ramos | 2018年7月24日

新しいプロジェクトを始めるのはワクワクすることですが、最初の 1 歩を誤らないためには事前に当然の注意を払わなければいけません。続きを読み、開始フェーズの重要情報として、プロジェクト憲章を作り、範囲を定め、目的を特定し、期待値を設定する方法などを学びましょう。無料のテンプレート、ガイド、ベスト プラクティスなどの役に立つリソースもあります。

プロジェクトの開始フェーズとは

開始フェーズには、プロジェクトが承認されて計画が始まる前に行わなければならないすべてのステップが含まれます。目標は、プロジェクトをおおまかに定義し、解決したいビジネス ケースと結び付けることです。

このプロジェクトをなぜ行うのか、どのようなビジネス価値がもたらされると期待できるのか、という 2 つの質問に答えられる必要があります。プロジェクトの実現可能性と、影響を受けるか関わる必要があると思われるすべての関係者を検討します。

プロジェクト憲章の作成

開始フェーズが始まってゴー サインが出たら、プロジェクト憲章、またはプロジェクト開始文書 (PID) を作成する必要があります。プロジェクト憲章では、プロジェクトの目的と要件を概説します。

これには、ビジネス ニーズ、主要な参加者および関係者、範囲、目的、全体的な目標などの詳細情報が含まれます。プロジェクト憲章によって、プロジェクトの意思決定を定義し、それが会社の目標に沿っているようにするための基礎ができます。

 

Project Objectives Onion

一般的な長さはおよそ 1 ~ 2 ページですが、プロジェクト憲章はプロジェクトの規模、種類、複雑さによってさらに長くなる場合もあります。以下に、プロジェクト憲章に必ず含めるべき事項の一部を列挙します。

  • タイトル
  • 簡単な説明
  • 背景
  • 目標/成果物
  • 範囲
  • 他のビジネス システムや事業体への影響
  • 関係者
  • 役割と責任
  • マイルストーン
  • 予算
  • 制約、前提、依存関係、リスク
  • 成功の尺度/ROI
  • プロジェクトの承認

その他のリソース:

範囲の定義

プロジェクトの範囲は、プロジェクトの目標、成果物、予算、スケジュールを確認するものです。範囲は時間とともに変わる場合がありますが、すべての関係者の期待値を設定するために早期に範囲を決めることは不可欠です。

 

Typing on laptop

プロジェクトの成功は、時間と予算について定められた要件を完了する能力で測定されるので、要件は最初にはっきりと定めることが重要です。このステップを早い段階で完了すると、期待値を設定するだけでなく、プロジェクトを時間どおりに行うために、詳細を入力するフレームワークも提示されます。

プロジェクトの範囲を定義するということは、計画の実行に必要なリソースの他、プロジェクトの目的と成果物を特定することになります。定める必要のある項目の一部を列挙します。

  • プロジェクトの目的
  • 成果物
  • 制約
  • 前提
  • 例外
  • スケジュール
  • 予算

また、Project Management Institute (プロジェクト マネジメント協会、PMI) は、範囲の定義について以下の 6 つのフェーズを概説しています。

  1. 範囲の計画: どのように範囲を定義、監視、制御するかを決めます。
  2. 範囲の制御: 関係者の期待値を管理する継続的なフェーズです。
  3. 要件の収集: このフェーズでは、プロジェクトの実行に必要なプロジェクト要件を定義します。
  4. 範囲の定義: 要件が決まったら、何が範囲外になるのかを含め、最終的に範囲を定義できます。
  5. 作業分解構成図 (WBS) の作成: この共通のプロジェクト管理ツールで、幅広いプロジェクト範囲をタスク階層に分けます。
  6. 範囲の評価: このフェーズでは、提示されたプロジェクト範囲と成果物について社内外の関係者が公式に承認します。

その他のリソース:

プロジェクトの目的の特定

範囲と同様に、プロジェクトの目標と目的を設定すると、リスクを避け、プロジェクト成功に舵を切るのを支援できます。明確な目的があれば、チームは何を目指しているのかが正確にわかるので、順調に物事を進めることができます。

目的は具体的かつ測定可能なもので、時間、予算、品質の制約を満たしている必要があります。プロジェクトには、1 つの目的、多くの平行する目的、または順次に達成する必要があるいくつかの目的などを設定できます。

明確な目的を書き出すことは難しい可能性がありますが、解決しようとしている ビジネス ケースに特有の、所定の主要業績評価指標 (KPI) を検討してください。明確で、簡潔な目的を作る方法の 1 つは、S.M.A.R.T. メソッドを使うことです。

  • Specific (具体的): 目的を明確かつ詳細に定義し、解釈の余地を残しません。
  • Measurable (測定可能): 目的を達成しているかどうかを判断するのに使用する主要業績評価指数を特定します。
  • Attainable (達成可能): チームにとって首尾よく完了することが合理的な目的を選択します。
  • Realistic (現実的): プロジェクト チームが達成可能だと信じる目的を設定します。
  • Time-Bound (時間制約): 計画が目的を達成できる日付または特定の期間を設定します。
     

 

S.M.A.R.T Goals

その他のリソース:

適切な関係者を招待

優秀なプロジェクト マネージャーは確実に、早い段階で適切な関係者を関わらせるようにします。多くのプロジェクト マネージャーは、あまり目立たないが、重要な関係者をよく見落とすことがあります。したがって、影響を受けるかもしれない、あるいはプロジェクト計画、成果物、結果に関心がある者全員を検討することが重要です。

もう 1 つ忘れてはならないのが、関係者は社内の人である場合も、社外の人である場合もあるということです。プロジェクトを通して透明性を維持するため、すべての関係者と効果的にコミュニケーションを取れるよう、適切なツールとプロセスが備わっていることを保証します。

それぞれの関係者が必要とする関与とコミュニケーションのレベルを判断するため、次に挙げる 5 つの重要な要素を検討してください。

  1. プロジェクトに最も影響力を持っている関係者は誰か?
  2. プロジェクトの影響を最も受けるのはどの利害関係者か?
  3. 関係者とはみなされないが重要な人物をどう扱うべきか?
  4. リソースを制御しているのは誰か?
  5. 利害関係者の最大の動機と関心事は何か?

さまざまな関係者を影響力レベルと関心度合に基づいて関係者マップにマッピングし、誰が何をいつ必要としているのかを判断することもできます。

 

Stakeholder Map

その他のリソース:

期待値の設定

プロジェクトの目的と目標、成果物、タイムライン、必要なリソース、予算の期待値を明確に設定することは、プロジェクトの成功のカギです。もちろん、発生してプロジェクトのタイムラインを台無しにする可能性があるすべての問題を予想することは事実上不可能です。

しかし、起こり得るすべての問題について事前に検討して伝える努力をし、物事が変化するときに透明性を保つことで、すべての当事者の見方を揃える中で大きな違いが生じます。

以下に、期待値を設定するときに考慮すべき主要な要素の一部を列挙します。

  • プロジェクト憲章が完全でよく考えられているようにする。
  • リスクと潜在的な問題を想定して計画を立てる。
  • 現実的なタイムラインと予算を見積もるが、多少の水増しは認める。
  • プロジェクト計画は社内外の関係者全員と共有する。
  • プロジェクトのタイムラインを通じてマイルストーンを設定し、進捗の増分を示す。
  • 定期更新とリアルタイムのステータス レポートを提供する。
  • うまくいかない場合に正直に言う。

その他のリソース:

プロジェクト管理をより協調的にリアルタイムで行う方法をご覧ください。

Smartsheet 無料お試し Get a Free Smartsheet Demo